「自軸」を育てる
本書では、情報を扱う力を総合して「自軸」と呼ぶことにします。この軸を持っていれば情報に振り回されることはなくなり、自分自身のために情報を使えるようになります。
もしかしたら「軸」という言葉から、1本の直線をイメージされるかもしれませんが、そのイメージは少しだけ修正してください。自軸は単なる直線ではありません。
マッキンゼーという会社が提示した「T型人間」という概念をご存知でしょうか。Tの字の縦棒は深い専門性を表し、横棒はそれ以外の分野の知識を示しています。1つの専門性以外に、多様な分野の知識を持っている人間、それがT型人間です。これはいわゆる「専門バカ」になるのを避けよ、という教えでもあります。
また、「逆T型人間」という考え方もあり、こちらは専門性の縦棒と、マネジメント能力の横棒を意味しています。スペシャリスト+ジェネラリストのスキルといった意味合いでしょうか。
どちらの考え方も、縦と横の2本の棒で支えられた人間がイメージされています。
自軸のイメージは、両方を重ね合わせた形を思い浮かべてください。つまり、3本の線で構成される軸です。
専門性を深く伸ばした縦棒と、さまざまな分野に関する知識、および、リベラルアーツ(教養)を示す2つの横棒。この3つの線を合わせて生まれるものが自軸です。
形としては大文字の「I」がぴったりでしょう。英語の「I」は「私」という意味があるので、I型の軸=自軸、というわけです。
(倉下忠憲『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』より )
皆様おはようございます。ピースです。
前回も前置きで触れました藤井四段ですが、私がこの文章を書いている最中に、29連勝で記録更新のニュースが流れました。
まだ中学生にして、ここまで自らの得意分野で名を上げられるということは、やはり偉業だと思います。
「得意分野」というキーワードを挙げたところで、今回の本題は、前回の終わりに述べた「特定層に特化した」話です。
が、その前に。
“今年もまた、何より「選挙で一票を投じること」が大事だという主張を(2)-「理系」の皆様に向けたお話を中心に” の続きを読む