「抽象化思考能力」のお話

私は理解力とは「抽象化能力」のことだと考えます。噛み砕けば、「知らないものを見て、自分がすでに知っている知識のパターンを照らし合わせて、同じパターンを見いだせる能力」です。
 たとえば、日本ではあまり見ないグアバやパッションフルーツが目の前にあったとします。あなたの知識のなかに、これらの果物のビジュアルがなければ、「グアバがある」と認識できないでしょう。しかし、自分の知識の中の果物と照らし合わせて「これは何かの果物だな」と認識することはできます。これが「抽象化能力」です。
 たとえば、「キリスト教徒イスラム教、どちらが優れているか」という論争があったときに、「どちらも宗教じゃないか。それぞれの教義に立ち返れば、争う必要なんかないはずだ」と考えられる力。これも抽象化能力です。つまり、抽象化能力とは、一般的な視点(抽象度)より高い視点(抽象度)でものごとを見ることで、知らなかったことと持っている知識の共通項を見出して、その共通項でくくることが出来る能力のことです。


皆様こんにちは。ピースです。
すみません、繁忙期を切り抜け、試験が無事に受験できたかと思いきや、
その後、仕事でも私事でも色々ゴタゴタがありまして、更新間隔が空いてしまいました。

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将棋竜王戦のカンニング問題の話(1)

皆様こんにちは。
東京はだいぶ天候が安定してきましたが、いよいよ肌寒くなってきましたね。

今日は珍しく(というか、本ブログでは初めての)将棋に関する話題。
私自身はルールは知っていて簡単な詰将棋なら解けるという程度で、趣味のレベルですらありませんが…
ただ、毎回というわけではありませんが、EテレのNHK杯を(特に有名な棋士が出るときは)見ます。

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シンポジウム「我が国のレーダ雨量計研究開発50年の歩み」に参加してきました!

皆様こんにちは。
今度は、鳥取で地震がありました。
日本という国、いつどこで自然災害が起こるかわからない国土特性であることは、これまで何度も述べてきました。
個人レベルでできる必要最低限の備えは、欠かさないようにしましょうね。

それで、今日はその自然災害に関連した話題ということで。
タイトルの通り、去る10/18は、土木学会のレーダ雨量計に関するシンポジウムに参加してきました。

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大隅良典栄誉教授のノーベル賞受賞に思うこと

皆様こんにちは。
前回の冒頭で申し上げたとおり、今日はこの話題。
ノーベル医学賞 大隅氏
細胞の自食作用解明
オートファジー がん発症と関連
スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル医学・生理学賞を、飢餓状態に陥った細胞が自らのタンパク質を食べて栄養源にする自食作用「オートファジー」の仕組みを解明した東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に授与すると発表した。生命活動に欠かせない基本的な現象を明らかにし、医学や生物学の進歩に大きく貢献した功績が評価された。
(10/4産経新聞1面より)

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「ITパスポート」を受験しました!

皆様お疲れ様です。
台風16号、そして移転問題とか、また本ブログ的に注目の話題が色々と出てきていますね。
ただ一方で、今月から業務も徐々に忙しくなってきているうえ、ブログも近況報告やなるべく早く書きたい内容が色々あります。
なので、そのあたりはどうしても取り上げないといけないトピックが出てきたら、ということで。

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「黒い川」と日本神話

島根県に斐伊川という川があります。この川は謎の6で取り上げた天井川としても知られていますが、実は日本という国のなりたちにも深い関わりがあるのです。
『古事記』や『日本書紀』などを見ると、日本の神々の歴史は出雲(島根県)から始まったとされています。これは国造りの神とされているオオクニノヌシノカミの祖先の神々が、定住の地を求めて日本各地を渡り歩き、出雲を選んだからです。しかし、日本にはもっと温暖なところはあったはずなのに、なぜ寒くて雪深い出雲だったのでしょうか。
この問いに対して神話は、それは「出雲には黒い川があるからだ」という答えを与えています。そしてこの「黒い川」こそが、かつて「肥の川」と呼ばれていた、現在の斐伊川であると考えられています。つまり斐伊川が、出雲を「日本発祥」の地にしたともいえるのです。
斐伊川は船通山を源流として宍道湖にそそぐ、全長153kmの川です。おしなべて浅く、平坦な河床が続いていることもこの川の特徴ですが、それより何より異様なのが、上流の方では川が真っ黒に見えることです。水が汚れて黒ずんでいるといったものではなく、本当にブラックなのです。
これはなぜなのか、神々はなぜこの川を見て出雲を選んだのか、謎解きをしましょう。
皆様こんにちは。

実は、今日のエントリ、拙ブログとしては変則的な出だしです。

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平成28年台風10号の話題(1)-まずは気象分野から

皆様お疲れ様です。
9月に入り、秋の虫の声も聞こえてきましたが、それでも特に数日前までは朝晩もなかなか冷えないという気候が続いていましたね。

そして、日本でこの季節といえば、やはり台風です。
そんなわけで、今日は異例尽くしといわれた今年の台風10号のことについて。

まずは、8/30の産経新聞1面から、スキャンした図も載せて。

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文章の書き方を、コンピュータと人間の脳の違いから見てみる


コンピュータはアドレス方式と呼ばれる方法で記憶します。つまり、記憶する場所があらかじめ用意されているのです。しかも、その場所は数多くの部屋からなり、順に部屋番号(アドレス)が決められています。記憶する事象はその小部屋に個別に格納され、再び記憶を呼び出すときは、部屋番号を指定し、その内容を取り出すという非常に能率的な方法を取っています。
一方、脳では、記憶は神経回路にたくわえられるのですが、実は、同じ神経細胞がほかの記憶にも使われます。なぜなら、一つの神経回路に一つの記憶しか貯蔵できなかったとしたら、記憶の容量はかなり限られてしまうからです。これでは、回路と同じ数の情報しか覚えられなくなってしまいます。ですから、記憶容量を確保するためにも、脳は色々とやり繰りしながら、神経細胞を使い回さなければなりません。
しかし、逆に、この性質が、脳に「人間性」を与えていることに、ぜひ気づいてほしいと思います。保存情報が相互作用するということは、全く異なるものごとを関連付けることができるということです。これはすなわち私たちが行っている「連想」という行為そのものです。さらに、情報を関連付けまったくちがった新しいものが形作られるかもしれません。これこそが「創造」という行為です。私たちが想像したり、思索したり、創造したりという行為は、記憶が相互作用できる神経回路にたくわえられているということの恩恵なのです。そして、もちろん、こうした行為は正確無比を誇るコンピューターには到底できない芸当です。

(池谷裕二『記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶の仕組みと鍛え方』より)


皆様お疲れ様です。
都知事選はまもなく投票締め切り、そして開票ですね。

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「慣性の法則」―政局の捉え方編

皆様こんにちは。夏が近づいてきた感じがしますね。

地震のことを一通り文章にし終えましたので、
今日はその前に投稿したこちらの記事について、また別の切り口からふれてみたいと思います。
ですが、本記事については、リンク先の引用元である児玉さんの本の文章はほぼ関係ありません。
と言うか、はっきり言って、独自考察です。

今でこそ、このブログでは大分いろいろな話題を取り上げるようになりましたが、私がこのブログを開設して2,3年くらいの間は、書いていた内容のほとんどが政治や言論に関するものでした。

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