土木学会誌5月号より、IoTの話題(2)-「対象や技術のマッチング」を、より掘り下げて

皆様こんにちは。ピースです。
5月も下旬になり、本格的に夏を感じるようになってきましたね。
私も、年度後半に仕事を集中させないように、これから頑張りどころです。
ただ、しっかりと自己管理をして、梅雨の時期に備えるようにしたいと思います。

間に時事的な話題を挟みましたが、本題は、2つ前の記事の続きです。


このエントリでは、土木学会誌5月号の引用を元に、土木系と情報系の「大学で学ぶこと」、あるいは「業界の特性」という面からの共通点を、私の考察として書きました。
それを踏まえて、今回はタイトルの通り、その時の引用にあった、「対象や技術のマッチング」を、より掘り下げてみたいと思います。

今回の引用は、同じく土木学会誌5月号の特集から、東洋大学 情報連携学部 INIAD学部長である坂村健教授へのインタビュー「土木分野におけるIoTの可能性」より。

 あらゆるモノがインターネットでつながると、大量のデータを集められます。いわゆるビッグデータです。ところが膨大なデータが集まってくると、その解析は人の手に負えません。人工知能(AI)に任せた方がいい。

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 AIの分野で最近注目すべきは、人間の神経細胞を真似て情報を処理する「ニューラルネットワーク」をベースとした深層学習(ディープラーニング)や強化学習です。プロ棋士がAI「アルファ碁」にま来た時、その棋士は「定石ではない、見たことのない手を打つ」と、感想を漏らしていました。ニューラルネット型のコンピューターは従来型のようにアルゴリズムで情報を処理するわけではありません。大量のデータを入力すると、それをもとに目的に近づいていく。どのように近づいていくかをプログラムとして書いているわけではありません。
 目的を達成するには大量のデータが必要になります。トンネルにの土砂崩れ防止の例で言えば、どのような構造物を、誰がどのような材料や工法で完成させてきたか、それは今どのような状況にあるか、更には新藤センサーのデータ……といった具合です。しかもトンネルのデータだけでは不十分で、周辺地域の気象情報や環境情報なども必要です。データがあればあるほど、ニューラルネット型のコンピューターは喜ぶんです。

ビッグデータ、そしてAIの利活用については、私の会社でも、業務そのもので取り扱うということに限らず、労働環境改善の一環としての効率化という方向性でも色々考えられ始めています(実装するのは、まだかなりハードルが高いですけどね)。
そして、ディープラーニングについては、大学院の研究室でもそれを自然現象の予測に適用するという感じで、似たようなことをやっている先輩学生がいました。

「アルファ碁」に関しては、私も以前に将棋のAIに関する話題を取り上げましたし、将棋より盤面の場合の数が多い囲碁に関しても、私より詳しい方が見ても、「もう、人間がコンピューターに抜かれるのは時間の問題」という言われ方は以前からかなりされていて、「そんなに衝撃を受けたという感じでも…」という意見が支配的という感じを受けます。

で、この辺の分野も、私自身がこれから勉強していく機会があるのかもしれませんが、「データを基に目的に近づいていく」というと、「最適化問題」というものは、考え方としては今ほどコンピューターが発達していない時代でもあったわけです。
そして、囲碁・将棋のAIも、基本的には多数の過去の対局における盤面から「評価関数」を作り出し、現況の盤面からその評価関数が最適値になるような次の一手を決定するということです。

ただ、「トンネル内の土砂崩れ防止」というような実現象が相手となると、どうなのでしょうね?
多種多様なデータを与える際に、「現況ではどのくらい人間の手を介する必要があるのか、そしてそれが将来的にどの程度のレベルまでAIで処理できるようになる見込みなのか」というのが、個人的に気になるところです。

 土木系と情報系は連携協力し合う間柄です。ただそれには、大学の学部でもっとコンピュータの授業を取り入れるべきです。この春、東洋大学赤羽台キャンパスに情報連携学部、通称INIAD(Information Networking for Innovation and Design、イニアド)を新しく立ち上げました。コンピューターベースで新しい学問に取り組む学部です。四つのコースの中に「情報連携シビルシステムコース」がありますが、ここでもまずコンピューターから教えていきます。

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 モノをつくるにしても、土木の専門家だけでは現実には物事は進みません。デザインやコンピューターの専門家もいた方がいい。チームメンバーがコースを超えて互いに協力し合って物事を進めていけるように、カリキュラムを設定しています。土木の教科書にこれまで書かれていないかった新しい世界が、IoTの技術によって切り開かれようとしています。しかしそれを実現するには、コンピューターに興味を持つ人材が不可欠です。INIADではまさに、そうした人材を育てています。

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 新しい時代の土木インフラはどうあるべきか、それを考える若い人材が出てこないと、破たんします。人口が減少し、財政状況も厳しい。そういう中でIoTの技術を活用し、状況をどう打開するか。土木分野への期待は高い。ただ情報系と連携を図るにしても、やるべき内容は土木系で考えないといけません。コンピューターを駆使する新しい土木人材の登場に期待します。

私は昨年最後のブログ更新で、「既存の要素を組み合わせることで、新しいものを生み出す」というお話を書きました。
ただこれは、私自身が経験、あるいは見聞したことの中で複数のジャンルのものを組み合わせてこういうブログの文章を書くということだけにとどまらず、「複数人のチームで何かを作り出す」というときにも非常に有効な考え方ですね。
というか、一人の人間の能力にはどうしても限界がありますから、むしろそうすることでこの「既存の要素の組み合わせ」という考え方は真価を発揮する、ともいえるかもしれませんね。

それで、ここでは「土木系と情報系の連携協力」ということを主題として取り上げ、「コンピュータを駆使する新しい土木人材の登場を期待します。」という一文で引用を締めくくっていますね。
コンピューターというと、私自身もITパスポートの受験報告、そして基本情報技術者の合格報告でも申し上げましたように、数値解析でのプログラミングは大学院の研究室から結構やっていて、そこそこまとまった長さのソースコードも書いていました。

でも、これって、ある程度慣れてきた今やっても、結構骨が折れる作業なんです。
普通に分岐とか繰り返し計算を行うプログラムだけでもそんな感じなのですから、例えばOfficeとかのプログラムを挙げてみると、それを作っている方々が設計、コーディング、デバッグと、大変な思いをしていらっしゃったことには間違いないわけです。
こういう土台があってこそ、マウスとキーボードで直感的に操作できるような製品としてのプログラムになっているのですが、普段はなかなかそんなこと意識しませんよね。
これはある意味、上でリンクした将棋のAIの話を取り上げたエントリで書いた「この一件を通して、情報通信とか計算とかの、人類が使いこなすには早過ぎる(ように見える)技術としての一面が見えてきたのではないか」ということとも関連すると思います。

で、情報系の資格に手を伸ばしたのもいい機会ですし、今後は「『計算機』という意味でのコンピュータ」だけにとどまらず、そこで勉強したハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワークなどに関する知識も、「量を増やす」だけでなく「使い方を考える」ことを意識するといいかもしれませんね。

というわけで、次回から、さらに具体的な事例研究について書いた記事を取り上げてみたいと思います。

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