気象予測に関するスパコン更新の話題

皆様こんばんは。ピースです。

書きたいことが山積みのこのブログですが、なかなか消化できません。
いくつかの投稿予定のエントリに関しては、「構想」だけはある程度メモや整理をしているのですが、「読んでいただける文章に仕上げる」というのは、なかなか大変です。
本当に、ブロサーの相互フォロワーさんとかで毎日更新されている方には、どうやっているのか教えていただきたくなるものですw

ただ、逆に言うと、それだけ自分自身の興味の対象が広がっているということでもあるので、その点は大事にする価値があるのかもしれませんね。

さて、今日の本題は、久々に専門色の濃い目な話題です。
5/1産経新聞3面より。

気象庁スパコン 来月更新
精度大幅向上 「線状降水帯」発生予測も
気象予測に用いる気象庁のスーパーコンピューターが6月に更新され、集中豪雨などの予測精度を大幅に向上できる仕組みが来年夏に導入されることが30日、同調への取材で分かった。
甚大な雨量をもたらすとされる「線状降水帯」など急発達する雨雲の発生予測は現在困難とされるが、観測体制の強化など条件が揃えば将来的に実現が見込まれる。
同庁によると、新たに運用開始するスパコンの性能は従来と比べ、計算性能は10倍、メモリ(記憶装置)は5倍、データ容量は30倍へ向上。これまで3年間で約40億円かけて開発され、今後約5年間の運用費も合わせて計約100億円が投入される。スパコンの更新は6年ぶりで、6月5日から運用開始する。

そして、この先に「アンサンブル予報」というキーワードがありますが、それについては、以下の通り説明されています。

アンサンブル予報
気象予測にはわずかな誤差が含まれるため、時間と共に誤差が増大することで予測と異なる結果になることがある。そこで初期値を少しずつ変動させた複数の予報パターンを作成し、その平均値を取ることで精度を向上できる予測の手法。気象庁によると、現在は5日先までの台風進路予報、1週間先までの天気予報、長期の天候予測で利用されている。

「気象」と「コンピュータ」というと、このブログでも独立したカテゴリを設けているほど、私にはかかわりの深い分野です。

まず、「気象」面からお話しますと、これは過去にも複数回話題にしたことがありました。

平成28年台風10号の話題(1)-まずは気象分野から

九州豪雨の被害に思うこと(2)-やはり、忘れてはならないのは「現場の方々への感謝」

台風21号について、河川の観測に行ってきた話も交えながら


私自身も「水防災」をメインにやっている技術者として感じることは、河川の水位などでもそうですが、これまでに起こったことを再現することは比較的精度良くできても、そこから得られる情報を元に、数時間先とか、もっといえば1日、2日先とかの未来に起こることを予測するというのは、圧倒的に難しいことです。

もちろん、現代ですから、その精度を向上させるに当たって大前提となるのが、コンピュータ技術です。
コンピュータというと、今、主に話題になっているのは、AIとかIoT、ビッグデータとかそういう話を思い浮かべる方が多いかもしれませんし、これも過去に話題にしたことがあります。

土木学会誌5月号より、IoTの話題(2)-「対象や技術のマッチング」を、より掘り下げて


これらの技術は、ものごとの因果関係からなる理論はほぼ関係なしに、データを与えてそこから何らかの法則性を見出すという、「経験的な」色が強い手法です。

他方で、これまで大学や各種の研究機関で取り上げられてきているものは、数学とか物理学とか、そういう学問を基礎とした、「理論的に」組み立てられたモデルの数式を数式を計算機で計算するものが中心です。
どちらにしても、本当に大雑把なことならPCレベルで出来るにしても(実際、少なくとも今のPCの方が、私が生まれたときの大型計算機よりも性能はもう上回っているというのは間違いないでしょう)、多くの情報を、しかも精度良く取り出すために、それだけ高性能な計算機に更新していくことは、間違いなく先端科学技術の開発、そして防災のための情報提供、どちらにとっても必要なことです。
そのことは、このブログを以前から読まれている方であれば、もう十分お分かりでしょう。

では、その計算機をどう利用するか?
ということで、経験則と理論式の話に戻りますが、
「理論で組み上げられたモデルなんて、もう時代遅れになるのか?」というと、
実際のところは「そんなことはないだろう」というのが、私の回答です。

(これは正直言って、個人的な認識に基づいたもので、根拠とかは全くないですが^^;)

ただ、物理的なモデルの入力パラメータにも「不確定要素」とか、「一つの値ではなく、ある範囲でしか決められない」というものは、数多くあります。
そんな中で、この「アンサンブル予報」という方法、私の勤務先の業務でも、これに近い考え方に基づいた数値モデルを一部では利用しています。
なので、気象庁の予報とかで利用されているものだったら、「もう改善の余地はほとんどないのかもしれない」という感覚が、どこかにあったのかなあと思いました。

が、いやはや、当然ながらそんな訳全くないですね。
むしろ、先ほどの経験則の話ともつながってくる箇所ですが、こういう確率や統計を応用した手法こそ、発展の可能性も、応用の幅も広がっているものです。

今後のさらなる技術発展に大いに期待したいものですし、私もこの立場でそれをどう利用するか、考えていく姿勢を持って臨みます。

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