キログラム定義の改定のこと(また、だいぶ前の話題ですが…w)

皆様お疲れ様です。ピースです。

年明けの業務対応に追われる1週間かと思えば、また3連休でした。
インフルエンザも流行っている模様なので、気を付けて過ごさねば。

さて、新年の挨拶兼ねてのスタプラ報告、そして読書ログまとめときて、今年初めての独立ブログエントリですが、内容は昨年の科学技術に関するトピックスです。
H30/11/17産経3面より。

キログラム 定義を改定

質量の単位「キログラム」の定義が130年ぶりに改定されることが16日、フランス開催された国際会議「国際度量衡総会」で決まった。これまでは金属製の重りを基準としていたが、原子の質量から計算する精度の高い方式に改める。来年5月20日に施行される。
質量の基準は1889年から「国際キログラム原器」と呼ばれる重りが使われてきたが、この重さが汚れや摩耗などでわずかに変化したことが近年判明。日常生活には影響しないレベルだが、微細な物質を扱う先端技術が進歩したことで、より厳密な定義が求められるようになった。
新たな定義では、変化が生じる人工物ではなく、普遍的な物理定数を基に計算した原子の質量を使う。日米欧などが技術を結集し、質量に関係する物理定数を高い精度で測定した。
産業総合技術研究所はレーザーを使ってケイ素の結晶の体積を精密に測定。含まれる原子の数などを正確に割り出し、世界最高水準の精度で物理定数を算出した。日本が国際的な単位の定義づくりに貢献したのは初めてで、基礎科学の実力を反映する計測技術の高さを世界に示した。

これに関しては、以前の読書ログまとめでも、講談社ブルーバックスの本のレビューを書きましたので、そちらを引用してみましょう。

臼田 孝『新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる (ブルーバックス)』

これ、理系の皆様方には、是非是非読んでほしい一冊です。

あるところで、「近いうちにkgの定義が『キログラム原器の質量』ではなくなる」という話を聞いて、その後書店でこの本を見つけた時に気になって購入しました。

少しでも自然科学を勉強されていた方なら、SI単位系はもちろんご存知でしょう。
その「単位の定義」というと、もちろん実務的にも重要ですが、同時に精度良く再現でき、かつ他と循環依存にならないように定義するために、研究者達が力を注いでいるものでもありますね。

私は土木系、それも設計ではなくそれ以前の「計画」を扱うのが中心ということもあり、仕事でやる計算では、大抵有効数字って2~3桁、下手すると1桁とか、10の何乗かさえ合えば良いとか、そんな感じのものも多いんです。
こんな私としては、普段何も意識せず使っていたメートルとかキログラムとかいう単位も、10桁前後という精度が保証されるような定義を決定するって、もの凄い大仕事だと感じさせられます。

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「あるところ」というのは、このブログをずっとお読みの方ならお分かりかもしれませんが、環境計量士の勉強会です。
計量士って、もともとは質量とか面積・体積とかの計量の仕事(例えば、コンビニやスーパーで売っているペットボトルの飲み物などでも、それが表記通りの量だけ入っているか、などということですね)がメインだったのですが、それが「一般計量士」と「環境計量士」に分かれ(、そしてその後、さらに環境計量士が濃度と騒音・振動に分かれ)たという資格なんです。
なので、共通科目ではこういう内容も結構取り上げられるということです。

物理単位に関する基礎技術って、色々なところに影響するんですよね。
ここでは計量の話でしたが、より土木系に近い分野で、計量と同じく「量をはかる」と訓読みできるものと言えば、もちろん「測量」です。
そして当然ながら、測量もその影響を受ける分野の一つです。

それに関連して、キログラムと同じく皆様にも馴染み深い単位であるメートルの話を簡単に。
メートルは、元々はざっくりいうと「地球1周=40000km(※)」として定義した単位ですが、これだとどうがんばっても4~5桁ぐらいしか精度保証できないらしく、現在はそれに代わって光速を利用することで、ようやく10桁くらいの精度で定義出来るようになったそうです。
そして、細かい話は省略しますが、光の「速度(=長さ/時間)」を使うということは、今度は時間の単位である「秒」に関して、他の単位と循環依存にならないように定義する必要がありますよね(そして、それも実際に定義されているわけです)。
あるいは逆に、当初のキログラムの定義である「水1リットル(=1000立方センチメートル、または1/1000立方メートル)の質量」は、このメートルの定義の元に成り立っているということも言えます。

まあ、はっきり言って物理学者でもない私にはよく分からん世界なのでこのへんで切り上げます^^;;(詳しくは、上記のブルーバックスの本にも書いてあるので、興味のある方は読んでみてください)が、
それでも、この産経の記事を読むと思うことはあります。
私は過去にも、「ニホニウム」「チバニアン」大隅良典先生のノーベル賞受賞など、数々の自然科学に関する話題を文章にしました。
そして、これはあいにくブログエントリは立てられなかったのですが、去年の本庶佑先生のノーベル医学生理学賞受賞もありましたね。

上でリンクを貼ったエントリでも書いていたことですが、このブログの重要なテーマの一つなので、何度でも書かせていただきます。

これまで、「日本は天然資源が乏しい国、だから人材が資源なんだ」と言われ続けました。
その一方で、今は日本近海のメタンハイドレート、レアメタル等の天然資源の話題も挙がっていますね。

そこで考えられるのは、
「では、仮に日本がこれらの天然資源の採掘に成功して、『天然資源に乏しい国』ではなくなったとしたら、『人材が資源』という言い方もされなくなるのか?」
という問いです。

が、私はこれには「否」だと答えます。

やはり、(先ほど申し上げた「基礎科学ってよく分からん世界」というのは、皆様のほとんども同じではあると思いますが、それでも)特に若い方を中心に、文系/理系とかそういうことは問わず、我が国が「日本国」としてのアイデンティティを確立している要素について色々興味を示していただければという思いで、この話題を取り上げさせていただいたということです(…ただし、投稿が同じくらいの時期だった上記のチバニアンのエントリでもセンター試験の話に触れましたが、もしこの記事を読まれている方で受験生の方がいらっしゃったら、一先ずこのブログを開いているブラウザは閉じて、受験勉強に集中してくださいねw)。

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※H31/2/16追記
ご存知のように地球は楕円体で、その形状も不正確なので、厳密な定義は「北極~赤道の子午線長=10000km」です。

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