「和の心」このブログタイトルのキーワードに込めた意味を、今こそ見直してみる(1)-「日本」編

「日本のこと」を知らないのは恥だ

ボクシングの国際試合では両国の国歌が演奏される。昔は観衆も一斉に斉唱したものだが、最近は演奏だけのことが多い。その演奏の時、外国人選手は必ず、自分の国の国歌を一人で歌っている。日本人選手はほとんど歌わない。

国歌のこの軽い扱いと、日本のことを知らない若者が多すぎることは、どこかでリンクしている。私は若者たちに、もっと日本のことを知ってもらいたい。
もちろん、若者のせいではなく、これは戦後の教育の結果なのだが、だからこそ、社会人になった最初の十年くらいで、自分の国についての一通りの知識を身につけてほしい。そうすることが、ビジネスパーソンとして不可欠だと思うからである。
それは、どういうことか。グローバル化がますます進展するからだ。グローバル化が進むと、外国人相手にビジネスをする機会がこれからますます増えてくる。そのとき、一番必要になるのは何か。
外国語?そんなものは二の次、三の次だ。一番必要なのは自分の国についての知識である。なぜ、自国の知識なのか。それによって、その人間の誇りを測れるからである。多くの外国人はこう思うからだ。
「自分の国のことをろくに知らない。国に誇りを持っていないのか。自分の国に誇りをもてない奴など信用できない」
こんなふうに思われてしまうのだ。日本にいると意外に気がつかないが、よその国の人間は自分の国に強い誇りをもっている。そのプライドを傷つけたら大変なことになる。嘘だと思うなら、その国の悪口を言ってみよ。血相を変えて怒るはずだ。
これは当たり前の話。自分の国を悪く言われて平気なのは日本人くらいのものだ。自虐傾向があるのではないかと思うくらいだ。
日本には日本のよさがたくさんある。そのことをもっと真摯に学んでほしい。今では外国人の方がよく知っている。

(川北義則『「20代」でやっておきたいこと』より)

Introduction

I remember when I first got off the airplane at Narita airport more than 20 years ago. I felt like I was on a different planet! Everything I saw was new and exotic. My head was filled with questions and I wanted to know everything. I wanted to know about the country, the language, the land, the government, and how Japanese think.
Whenever I met people who spoke a little English, I would ask them questions about Japan. Some people were very helpful and could give me a lot of answers. Other people didn’t seem to know even basic information about their own country!

(ブログ筆者訳)

前書き

20年以上も前、成田空港で飛行機を降りた時のことを思い出す。私は異星の地を踏んだかのようだった。見るもの全てが新しく、また異国の雰囲気を感じるものだった。私の頭の中には大量に質問したいことが浮かんできたし、あらゆることを知りたいと思った。私は国のこと、言語のこと、国土のこと、政府のこと、そして日本人の考え方を知りたかった。
少しばかり英語が話せる方々にお会いするたびに、日本のことについて質問してみた。中にはたくさんの回答を下さってとても助けになった方がいたが、他方で、自分の国の基本的な情報すら知らないと思われる人もいたのだった。

(デイビッド・セイン『ジャパンFAQ[文化編]』より)

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九州豪雨の被害に思うこと(1)-概要

皆様おはようございます。ピースです。

今週の後半は、某所に現地踏査・観測および計測機器の設置に行ってまいりました。
途中で雷雨があって車内退避(社用車での移動だったので)を余儀なくされたり、熱中症で少し具合が悪くなりそうになったりもしましたが、何とか全作業を無事に完了しました。
皆様も、夏場の事故・災害にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

…という前置きに関連して、今日からはまた専門色全開で、九州豪雨の話題をシリーズにしたいと考えています。

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今年もまた、何より「選挙で一票を投じること」が大事だという主張を(2)-「理系」の皆様に向けたお話を中心に

「自軸」を育てる

本書では、情報を扱う力を総合して「自軸」と呼ぶことにします。この軸を持っていれば情報に振り回されることはなくなり、自分自身のために情報を使えるようになります。
もしかしたら「軸」という言葉から、1本の直線をイメージされるかもしれませんが、そのイメージは少しだけ修正してください。自軸は単なる直線ではありません。
マッキンゼーという会社が提示した「T型人間」という概念をご存知でしょうか。Tの字の縦棒は深い専門性を表し、横棒はそれ以外の分野の知識を示しています。1つの専門性以外に、多様な分野の知識を持っている人間、それがT型人間です。これはいわゆる「専門バカ」になるのを避けよ、という教えでもあります。
また、「逆T型人間」という考え方もあり、こちらは専門性の縦棒と、マネジメント能力の横棒を意味しています。スペシャリスト+ジェネラリストのスキルといった意味合いでしょうか。
どちらの考え方も、縦と横の2本の棒で支えられた人間がイメージされています。
自軸のイメージは、両方を重ね合わせた形を思い浮かべてください。つまり、3本の線で構成される軸です。
専門性を深く伸ばした縦棒と、さまざまな分野に関する知識、および、リベラルアーツ(教養)を示す2つの横棒。この3つの線を合わせて生まれるものが自軸です。
形としては大文字の「I」がぴったりでしょう。英語の「I」は「私」という意味があるので、I型の軸=自軸、というわけです。

(倉下忠憲『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』より )

皆様おはようございます。ピースです。
前回も前置きで触れました藤井四段ですが、私がこの文章を書いている最中に、29連勝で記録更新のニュースが流れました。
まだ中学生にして、ここまで自らの得意分野で名を上げられるということは、やはり偉業だと思います。

「得意分野」というキーワードを挙げたところで、今回の本題は、前回の終わりに述べた「特定層に特化した」話です。
が、その前に。

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今年もまた、何より「選挙で一票を投じること」が大事だという主張を(1)-「タブー」によって生み出される組織票の力

かつて、わたしは法人営業マンをしていたが、先輩や上司にも新聞レベルの話題しかない人が少なくなかった。後輩ながら、「この人のセールスを聞く人は退屈だろうな」とつくづく同情したものである。
「セールスでは宗教や政治の話はタブーだろう?」と反論されそうだが、特定の宗教団体の悪口を言え、というわけではない。政治にしても、支持政党の話題ではなく、国際政治の本質、歴史、G7あたりの大国の狙いなどを話題にしてもいい。「そうか、ユーロはそうなっているのか?」とあなたの判断を伝えてもいいはずだ。
3.11以降、新聞やテレビの情報をうのみにする人はほとんどいなくなったと思う。いまや自分の頭で考えて自分の頭で判断する時代だし、そういう意見をだれもが聞きたがる時代なのだ。なぜなら、人の意見を聞いて自分のそれと比較検証したいからである。

(中島孝志『仕事に効く!朝10分の読書術』より)

皆様こんにちは。ピースです。
世間は、加藤一二三九段の引退と、藤井聡太四段の連勝記録が話題になっていますね。
こちらでも紹介しましたが、私は読書ログで佐藤天彦名人の著書『理想を現実にする力』という本のレビューを書いていました。
これはあちこちで申し上げていることですが、頭脳労働でご飯を頂いている者としては、まさにプロ棋士のような頭の回転の速さこそが「理想」になっている感じです。

さて、本日の本題に移りましょうか。
私の家にも、都議選の投票券が届きました。

投票日は7/2です。
都民の方でこのブログをお読みの皆様、投票には必ず行きましょう!

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度重なる痴漢冤罪事件、そして山手線防犯カメラ導入の発表に思うこと(2)

皆様こんにちは。ピースです。
今日は少し重めの前置きから入らせていただきます。

テロ等準備罪(いわゆる「共謀罪」)を含む改正組織犯罪処罰法が成立しましたね。
確かに、私自身もこの法案については、「間違った運用がなされれば」治安維持法もビックリの悪法になる可能性は、無きにしも非ずとは思います。
これは以前も申し上げているかと思いますが、どんな政策・法案であれ、「成立した後の動向のチェック」こそが、欠かせないことです。

しかし、一方でですねえ…
これまで私は、この法案については「監視社会の誕生だ!!」とか煽っておきながら、自分や味方側の人間が気に入らない人間の言動を監視し、そして何かあれば徹底的に叩くということをさんざんやってきた、そんな連中を、きつい言葉も申し上げて批判してきました。
そして、そんな大マスコミやら、「反レイシズム系」の組織やらを味方につけている野党の今回起こした行動には、本気で腹立たしく思いますね。
「牛歩戦術」については、ルール無視で票をねじ込んだ議員もいるとかいう話で、「この方々は一体全体、議会制民主主義を何と思っているのか!?」という気持ちにさせられました。
そして、今回の話に思いっきり関連したところですが「女性議員たちで壁を作って、体に触れたらセクハラだとか騒ぎ立てる」ことを考えていたとか、いかにも都合のいいときだけ女を利用しようとする偏向フェミニストの連中がやりそうなことだなあと思うんですよ。
はっきり申し上げまして、私は「テロ等準備罪」などよりも、そんな連中が成立させようと画策していた「人権侵害救済法案」なる法案の方が、何十倍、いや何百倍も監視社会につながる危険性は高いと考えます。

…という話をしたところで、本題に行きましょう。

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度重なる痴漢冤罪事件、そして山手線防犯カメラ導入の発表に思うこと(1)

皆様おはようございます。ピースです。
前回に引き続き、朝の更新です。
夏至も近づいてきましたし、この時期はこの習慣をつけるのがいい気がしますね。
冬場は、あちこち転載(あるいは自動連携機能の確認)する作業のために早起きするのはちょっと辛いですが。

さて、本題。
Twitterやはてブはともかくとして、FB、ブロサー他あまり政治・社会色のない所からいらっしゃった方は、タイトルだけで
「えっ!このブログでこの話題取り上げるのか!?しかも分割・複数記事で!?」
と思われた方も、きっと多数いらっしゃったことでしょう。
(と言っても、FBは個人アカウントでも、軽く予告していたのですが…)

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百田尚樹氏講演会中止の一件について

皆様おはようございます。ピースです。
今日はまた珍しく、朝の更新。

まずは、日頃ブログサークルからいらっしゃっている皆様にお礼。
私の主催する、「理系ブロガー」サークルの参加者が、50名を越えました!
まあ、私も思いっきり理系脳な人間で、文章を書くことには学生の頃から苦手意識を持っていました(というか、正直なところ、今でも持っています)が、そんな私がこんなブログをやっているのですから、人間どう変わるかは分からないものですねw

で、前回までの技術者らしさ全開なシリーズを締めたというところで、今回は思いっきり文系な話題です。

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「朝日新聞は言論テロ」に対する「いいね!」の一件について

皆様こんにちは。ピースです。
IoTのことも、まだまだ取り上げたい土木学会誌の記事はたくさんあるのですが、そちらはちょっと一旦置いておきます。
というのも、これは正直、「えぇ…」と思ってしまいましたので。
本ブログでこれだけ鮮度の高い話題を取り上げるのは、結構珍しいと思います。

まあ、タイトル通りですが、5/22産経ニュースから、こちらのお話です。

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八田與一像の修復および慰霊祭について、産経新聞より

皆様こんにちは。ピースです。
5月も中旬になり、昼間は少し暑く感じる日も出てきましたが、朝晩はまだ薄着では厳しそうですね。
私の周りも風邪を引いた先輩方が複数名いるので、皆様もお気をつけてお過ごしくださいね。

さて、今日の本題はタイトル通りですが、5/9の産経新聞8面からの引用です。
(この話題も、事件発生時にはなるべく早く触れたいと思っていたのですが…)

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「言論の自由」あるいは「思想・信条の自由」に関する私的解釈

・「Whyを5回」
 超有名で知っている人が多いにもかかわらず、実際に使っている人が少ないフレームワークです。ほとんどの人が、目に見えている表層的な事象に対して、Why-Why-Whyと深堀りをせずに表層的なアクションを決めてしまっています。コストを削減せよ、と言われたときにオフィスの電気を節電する、とすぐに言ってしまうのがこのパターンです。大抵、目に見えている事象は表層レベルのことです。その段階でアクションを決めてしまっては、表層部分のアクションにしかなりません。深層にまでたどり着いたアクションこそが、最大の成果をもたらします。

(木部智之『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』より)

 なぜ電力は東日本は50Hzで西日本は60Hzなのか?
 (→東日本と西日本で別々の会社が電力事業を始めた際、異なる基準を採用した。それが後に統一されたため)

 なぜオーストラリアの首都はキャンベラなのか?
 (→シドニーとメルボルンが首都の座を争い、その結果中間地点にあるキャンベラに首都を置くことになった)

 これらの質問に対する答えは、見ればなんとなく納得して終わってしまっていますが、実は単なる言葉の置き換えである「言い換え型」であったり、それ以上「なぜ?」の突っ込みようがない「そう定義されているから」といった「起源説明型」であることが非常に多いのです。つまりWhy一回型であり、What型と同じだということです。

 逆に言えば、なぜを一回で終わらせずに、これらの例で言えば、なぜ「東日本と西日本で別の会社が事業を始めたのか?」、なぜ「シドニーとメルボルンが争ったのか?」というふうに「なぜ?」をさらに繰り返していくことにより、テーマによっては単なる事実という「点」が、因果関係という「線」になっていく可能性もいくらでもあります。そうすれば、こうした因果関係の「線」というのは、たとえば他の世界でも同様の事例があったときに応用が利くようになるのです。
 ここまで読み終えた方は、なぜ「『なぜ』は5回繰り返さなければならないのか?」の意味をおぼろげながら思い浮かべることができるのではないかと思います。Why型思考の世界を本当の意味で堪能するためには扉を何枚も開ける必要があるのです。

(細谷功『「Why型思考」が仕事を変える』より)

皆様こんにちは。ピースです。

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