皆様こんにちは。ピースです。
休暇の真っただ中ですが、都内は大荒れはしないものの、なかなかすっきりしない天気が続きますね。
さて、今日は一言だけの前置きでしたが、本題。
このブログ、多くの記事からリンクを貼り続けているメインエントリをはじめとして、”Military”と”Civil”という対比をしながら、活動報告や本からの引用を通して、私の考えを取り上げていますね。
というわけで、先日の活動報告が「自衛隊」への感謝の気持ちを伝えるキャンペーンという、(少なくとも公的組織としては)Military面のお話だったので、今回はCivil的な活動報告のお話をしましょう。
(そして、前エントリに申し上げていた「『資料』を取りに行くだけに会社に立ち寄った」というお話も、これに関する資料のことですw)
去る8/6(まさに、上記の自衛隊キャンペーンの次の日ですね)は、第9回「土木と学校教育フォーラム」に参加してきました!
この「土木と学校教育フォーラム」、昨年に引き続いての参加です。
「第8回土木と学校教育フォーラム」に参加しました。あの藤井聡教授、大石久和先生のお話も聴講!
大石先生は昨年は半ばゲストという感じの立場でしたし、前エントリで申し上げたとおり、今年は土木学会の会長もされていますので、なかなか御多忙ということもあっていらっしゃいませんでしたが、藤井先生は今年もいらっしゃっていました。
(というか、こちらを見ても分かります通り、彼がこのフォーラムの主宰である「土木と学校教育会議」検討小委員会の委員長なんです。)
まずは、プログラムを土木学会HPから引用。
9:00-9:15 開会、趣旨説明 唐木 清志(筑波大学大学院准教授)
9:15-10:15 基調講演
「防災教育の今後の展開~次期学習指導要領を踏まえて~」
吉門 直子(文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 安全教育調査官)
「国土交通省が進めている防災教育の取組について」
吉田 邦伸(国土交通省鈴管理・国土保存局防災課 緊急災害対策企画調整官)
10:15-12:00 模擬授業ワークショップ
「防災ゲーム「クロスロード」を活用した防災学習」
矢守 克也 (京都大学 防災研究所 巨大災害研究センター)
13:15-14:15 実践・研究報告(口頭発表形式)
「地域ぐるみの学校防災~防災マップ作りを通して~」
木原要子(愛媛県愛南町立城辺小学校長)
「地域と連携した防災教育の推進」
深澤大(静岡県掛川市立原野谷中学校長)
「多賀城高等学校の防災・減災学習 -ESDの視点からの取組-」
小野 敬弘(宮城県多賀城高等学校主幹教諭)
14:15-15:15 実践・研究報告(ポスター発表/土木を題材にした教材や指導書の紹介・展示)
15:30-16:45 パネルディスカッション
テーマ :「次期学習指導「要領」における防災学習」
コーディネーター:唐木 清志(筑波大学大学院准教授)
パネリスト: 渡邉 正樹(東京学芸大学教育学部教授/日本安全教育学会理事長)
藤井 聡 (京都大学大学院教授)
吉門 直子(文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 安全教育調査官)
16:45-17:00 とりまとめ 藤井 聡(京都大学大学院教授)
今回、特に内容として面白く感じたのは2つ。
1つ目は、座学での聴講から。
文科省の吉門さんの話にありましたが、学習指導要領の改訂に伴い、各教科で「防災」に関する内容をより重点的に取り上げるようになったことです。
これはもちろん、自然現象のメカニズムを取り上げる理科、そしてそれを基にして、こちらでも書きました自助・共助・公助という考え方とその実践を具体的に取り上げる社会科もそうなのですが、それだけでなく、技術・家庭や保健体育でも、防災や避難、救助活動に必要なさらなる実践的な知識と技術を身につけさせる方針に変わっています。
このあたりは、昨年と同じく、後ほど資料がアップされるのではないかと思いますので、それが上がったらまた詳しく取り上げるかもしれません。
2つ目は、京大防災研の矢守先生による模擬授業ワークショップです。
ここに書かれている、「クロスロード」なるゲームですが、どういうものかと言いますと、それはこちらへ。
要するに、下記のようなものです。
- 全員にYes/Noのカードを1枚ずつ持たせる
- 防災行動に関する様々な2択問題について、このYes/Noのカードのうち、各々自分の意見を裏返しておいておき、司会者の合図で一斉にそれを表に向ける
- 各人がそう思う理由を簡単に述べ、意見の違いを議論し、「非常時」という中で状況をどう判断するか、また普段から考えて、あるいはやっておくべきことなどのアイデアを創る
つまり、(リンク先のページには「座布団」なんてのもありますが)実際のところはディベートのように勝敗を決めるのが主旨のものではありませんし、もちろん必ずしも多数派が正しいということでもない、というわけです。
本エントリの最後に、当日出た例題を2つ出してみますので、皆様も考えてみてください。
で、この矢守先生、実はご専門は土木系では、あるいは理工学系ですらなく、「社会心理学」ということです。
彼が仰っていたことには、「新聞などは『どんなメカニズムで起こった』とかいうことが結構よく取り上げられるけど、実際のところ重要なのは、『大災害に巻き込まれた方々が、どう行動し、その結果どういう思いをしたか』ということの方が、一般の人々には役に立つのではないか」と考え、京大防災研という組織の中でこういうことをされているそうです。
いやはや、こんな感じで、今年も昨年に負けず劣らず、新しい発見に満ちたフォーラムでした。
こちらにも書いた通り、私は、「土木」って、関連する分野の幅が広い割には、他の専門の方との関わりが少なく感じる分野だと考えていますので、「教育」、それも専門レベルではなく義務教育レベルでのかかわりを創るっていう考え方が、本当に面白く感じられましたね。
では最後に、クロスロードの例題を。
(もちろん、「問題に言及されていない状況による」というのもあるでしょうが、これは上記の通りYes/Noのカードを使うものなので、「『基本的には』どちらだと思うか」で考えてみてください。)
1.
あなたは、中学生です。
大きな地震のため、自宅が半壊。水道、ガス、電気もとまって、避難所(中学校の体育館)に避難しなければなりません。でも、家族同然の飼い犬もも(ゴールデンレトリバー、メス3歳)がいます。
一緒に避難所に連れていきますか?Yes(連れていく) ⇔ No(自宅に残す)
2.
あなたは、小学生です。
学校にいるときに地震が起こりました。すぐに津波が来るかもしれないのでみんなで集まって避難します。しかし、あなたと仲のいい子が一人見あたりません。担任の先生と何人かの友だちは、避難する前に探しに行くと言っています。
あなたは、どうしますか?Yes(探しに行く) ⇔ No(避難する)
さあ、どうでしょうか?
これ、私のグループは5名だったのですが、両方とも見事に3対2に分かれました。
そして、他のグループで出た意見を含めて、そう考えた理由を聞くだけでも、新しい発見がありました。
普段、ブロサーやツイッターなどでいいねを下さっている皆様に関して、「この方だったら、こう考えるかなあ」というのを想像するだけでも、何となく面白そうですねw
あと重要な点は、この2つも含めて、クロスロードの問題は、「過去の災害において実際に起こったことに基づいている」ということです。
ご興味のある方は、こういう本も宣伝されていましたので、是非。
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