平成28年台風10号の話題(2)-防災に重要なのは、やはり「人の意識の向上」。加えて…

皆様こんにちは。

台風10号の話題ですが、前回のエントリの締め方からしてもっと続くのかなあと感じた方もいるかもしれません。
ですが、書いている途中でうまくまとまらずに没にした文章もありまして、今回までの2記事ということで。
そして、内容は本ブログとしては外せない、防災面のお話です。


今回は、9/1の産経新聞1面より。

濁流 高齢者施設9人死亡
岩手・北海道 死者計11人、不明5人

台風10号による暴風雨の影響で、岩手県や北海道で30日夜から31日にかけて堤防の決壊や浸水被害が相次いだ。岩手県では31日、岩泉町で小本川が氾濫し、近くの高齢者グループホームで男女9人の遺体が発見されるなど、計11人の死亡が確認された。岩泉町では2人、北海道で3人が行方不明になった。
9人の遺体が見つかったのは、認知症患者を受け入れる「楽ん楽ん(らんらん)」。木造平屋で入所定員は9人だった。小本川の上流には、氾濫しやすいとされる流れが急激に曲がる地点があった。ホームを運営する社団医療法人「緑川会」の佐藤弘明常務理事は、30日午後6時ごろには胸の高さまで濁流が押し寄せてホームが浸水し、近づけなかったと証言。電話がつながらず、警察や消防に救助を要請できなかったという。
非常時は緑川会が運営し隣接する3階建ての高齢者施設「ふれんどりー岩泉」に避難することになっていたが、避難マニュアルはなく、この施設も2階まで浸水。入所者ら約90人がヘリコプターで救助された。
まずは、前回のエントリにも関連したお話から。
これは私の個人的印象なのですが、東北地方の太平洋側って、台風が来る確率は(あくまで比較的ですが)低いような感じを受けますね。
しかも、この台風のルートは前エントリで書いたように、極めて異例なその東北太平洋側からの上陸ということで、さらにレアケースなわけです。

しかし、熊本地震の時も、「九州の北部~中部って、日本の中では比較的地震がないところというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれない」という書き方をしていましたし、
この日本という国、どこからどんな形で自然災害が襲って来るか、きわめて予測が難しいという特性を持っています。

私は今月のはじめに書いた記事で、義務教育での防災教育という形で、そのぐらいの年から意識付けをしていくことが大事だということで、「土木と学校教育フォーラム」という勉強会の参加報告をしました。
そういう防災に関する「意識」の大切さ、改めて忘れてはならないと感じさせられますね。

で、認知症患者、そして高齢者施設での人的被害ということで、今回はさらに、こんな切り口から掘り下げてみましょう。
私も、認知症患者の受け入れ施設に関する体験はないのですが、中学~高校の時には、老人ホーム、そして障害児施設での介護体験をしたことがあります。
そこで思ったことなのですが、自分でやろうと思えば簡単にできることであっても、それを他人、特にお年寄りや体の不自由な人といった方々にさせるのは、とても難しいことなんですよね。
そしてもちろん、普段からそういう施設で働かれている方の苦労もたいへん偲ばれることです。

ということで、ここで、防災に関するこんなキーワードを紹介しますね。

自助、共助、公助とは?(「もしもの時の防災」ホームページより)

今回注目したのは、この中の「共助」です。
共助 (きょうじょ)

先に、防災の基本は「自助」であることを述べましたが、自分で出来ることには、やはり限界があります。
ここをご覧のあなたは元気盛りの壮年男性かもしれませんが、まわりには子供、女性、年配の方、障害を抱えた方など、あなたほど災害に強い人ばかりではありません。

それに、あなたは自分だけが助かれば良いと考えている人では無いはずです。家族は勿論、近くに住む友人、よく立ち話する隣のおばあちゃん、近所のクリーニング屋の親しい店員さん、などなど、彼ら彼女らに万が一のことがあれば、あなたは悲しい思いをするはずです、助けたかったと思うはずです。

「共助」とは、自分や小さな共助である家族だけでなく、町内会や自治会などの小さな地域コミュニティ単位で、防災としての助け合い体制を構築する、また災害発生時に実際に助け合う、ことを言います。
特に今までの防災計画では、「自助」と「公助」にはかなり目を向けられてきていましたが、この「共助」については、少し考えが行き届いていなかった箇所かもしれません。

実際、このページの先頭でも、
自助 = 自分で自分を助けること
共助 = 家族、企業や地域コミュニティで共に助けあうこと
公助 = 行政による救助・支援、のことです。

防災対策は行政がやる、自分は緊急避難グッズを備えておく・・・果たして、それだけで良いのでしょうか?
という書き方がされていて、このことが示唆されていると解釈できますね。

で、その肝心の「共助」の意識についてですが、
月並みな言い方ながら、企業や「地域コミュニティ」での結束に関しては、災害が発生したときににわかに形成されるものではなく、普段からある程度自然な形で創られていくのが理想、ということになるのでしょう。
そしてもちろん、それを理想論で終わらせないために、地域防災に取り組まれている方々が色々と苦心されているということですね。

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