皆様おはようございます。ピースです。
今度は秋田で大水害が発生しました。
今年の夏は本当に、集中豪雨が多発していますね。
これは何度でも申し上げますが、天候の極端化への対応、日本の国土の性質から言っても急務です。
というわけで、本題は九州北部豪雨の話題の続きです。
間に黒田裕樹先生の歴史講座への参加報告を3エントリ、そして読書ログのレビューも挟み、長らく更新が停滞していましたね。
今日は珍しく、文章短めで写真2枚という引用です。
7/11の産経新聞1面・26面より。
九州豪雨、捜索続く
九州北部を襲った豪雨から6日目の10日、福岡と大分両県の犠牲者は計25人となった。依然として20人超の行方や安否がわかっておらず、福岡県東峰村では自衛隊員が腰まで水につかりながら必死に捜索を続けた=写真(彦野公太朗撮影)
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孤立が続く地区から自衛隊のヘリで避難する被災者ら=10日午前、大分県日田市(彦野公太朗撮影)
今回は、こちらでお話しました通り、自衛隊の活動を取り上げた写真をあげました。
が、その自衛隊に関しては、また後日話題ができる予定で、そちらでまた取り上げたいと思いますので、今回は最後に軽く取り上げる程度にします。
それで、上のリンク先でもちらっと書きましたが、ここでは「水防団」、およびその周辺の水防体制に関する話をメインに持って行くことにしますね。
話の背景からですが、このブログのメインエントリ、5.の「おわりに」で、こういう締め方をしています。
何よりも、私の創っている付加価値は、間違いなく、現場の方々のご活躍があってこそ存在している。
それに対する感謝の気持ちを、いつでも忘れないようにしたいと思います。
そして、「現場の方々」に関しては、さらに、第2回TOKYO憲法トークライブの参加報告で、
ここに書いた「現場の方々」には、施工時にご活躍されている技能者やそれを指揮する技術者だけでなく、まさにここにある「消防」「警察」「自衛隊」も含まれるわけです。
ただ、私自身はこれまで、この3つを同格に見てきていた感じだったので、この「自己完結性」というのは結構重要なポイントだなあと思わされました(もちろん、「消防と警察についても、それ以外の面から見るとそれぞれにしかできない役割があることには違いない」ということを言い足した上で)。
ということも書きました。
しかしながら、今回は水害ということで、「消防」「警察」「自衛隊」とともに忘れてはならないのが、ズバリ今回のメインに置いた、「水防団」および、その他の水防関係者ということです。
水防に関しては、国交省のこちらのページをご覧ください。
全体を通して、拙ブログで書いたことへのリンクも取り上げながら、話を進めてみましょうか。
まず、2.水防はなぜ必要?で3項目取り上げられていますね。
1)我が国の地形的・気象的特性
2)水防活動は河川改修と並ぶ「車の両輪」
3)多様な主体による水防への参画
1)に関しては、もうこれまで、何度も申し上げてきました(し、今回も前置きからそれを書いていますね)し、この九州北部豪雨もこちらと同様に、気象の話題でもエントリを起こす予定ですので、ここでは詳しくは掘り下げません。
2)は、水防活動が「ソフト対策」、そして河川改修が「ハード対策」に対応するということで、こちらではこれらの用語を初めて使ったのが、昨年の熊本地震の記事でした。そして、水害に特化した話としては、年末に「水防災意識社会構築ビジョン」を取り上げたエントリにて、ハード・ソフト両面からの対策についてお話しました。
3)は、自助、共助(、そして公助)というキーワードが含まれており、それらは、こちらで詳細に取り上げました。
次に、3.水防に関する組織で、ようやく「水防団」の話が出てきます。
水防法に関しては、上記の「水防災意識社会再構築ビジョン」のソフト対策を書いた記事でも取り上げていたのですが、私もまだ十分勉強できているとはいい難い状況なので、これから機会を得て学んでいくこととします。
しかし、このページに書かれていることに沿って話をしますと、水防活動は、市町村、そして都道府県と、地方公共団体が責任を有するということになっており、「水防団」とそれを管理する「水防管理団体」のことが規定されています。
また、「消防」に関してもここで言及されていますね。
そして、4.水防活動です。ここも3項目に分かれています。
1)水防計画の作成
2)水害時の情報伝達
3)実際の水防活動
1)と2)が、まさに私たちの領分です(とはいっても、私自身はまだこの仕事について3年目ということもあり、直接的に「役に立つことをやっている」という実感は、正直申し上げてまだまだ十分には湧いてこないですが…)。
1)は、「タイムライン」というキーワードを、上記のソフト対策のエントリで挙げました。
ざっくりいうと、来ることが予測される水害に事前に備えて、「住民、行政、そして水防関係の方々が、その各々の持ち場で、どの順番で、どの時間に、どう動けばいいか」という計画を立てることですね。
これに関しては、「人命を守る」ということが最優先である以上、空振りを恐れないことが何よりも重要でしょう(ただ、一方で、あまりそれが頻発すると、コストのほとんどが人件費という点が問題になりかねないわけですが…)
2)については、こちらでレーダ雨量に関するお話をして、一般向けにも「川の防災情報」なるサイトが公開されているというお話をしました。
さらに、実際にご覧になられるとお分かりでしょうが、こちらにも、水防関係者向けに特化したコンテンツが含まれています。
そして、3)が「現場の方々」のお話ですが、こちらは全文を引用。
水防管理団体の長たる水防管理者は、気象庁の警報、2)で述べた河川に関する情報や水防警報などを踏まえ、水防団や消防機関(以下「水防機関」)に出動命令を下します。水防機関は、洪水等による被害を防止あるいは軽減するため、河川堤防等で水防工法等を駆使した活動を行います。
また、水防機関には、道路の優先通行、警戒区域の設定等の水防活動上必要な権能が付与されるとともに、国土交通大臣及び都道府県知事には、水防管理者、水防団等に対する緊急時における指示権が与えられています。
被害が大きくなった場合など、水防管理者は警察に対し援助を求めることができるほか、都道府県知事は自衛隊の派遣を要請することができます。国土交通省も、被災市町村の支援のため、河川の監視活動や排水ポンプ車による排水活動、破堤した堤防の仮締切といった「特定緊急水防活動」を行うことができます。
最初の方で「水防団」と「消防」について言及され、そして後半で「警察」「自衛隊」について言及されます。
単語として出てくる組織名がこの順番ということで、今回の九州水害も含めて、自衛隊が派遣されるというのは、相当に切迫した状況下に置かれているということがお分かりになるでしょう。
そして、それだけ自衛隊が一番の「切り札」となる理由は、本エントリの最初の方で申し上げました、自衛隊が「自己完結性」を有する組織であるということに起因するわけです。
以上、今回は文章を書いてみて、私自身も「水害」に対して、国、そして地方がどういう体制を敷いているのかという頭の整理ができました。
繰り返しになりますが、私自身も「現場の方々」への感謝を忘れずに、そして、水害に対する「予防策」を練るための技術的なバックアップ、そのほんの一端ではありますが、貢献する気持ちを持ち続けなければなりませんね。
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(R01/11/25追記)
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