熊本県地震の話題(2)―ハード対策の限界、そしてソフト対策の重要性について

皆様こんにちは。
昼間はちょっと暑く感じるくらいになり始めましたね。
GWも今日までですが、気分転換は図れましたでしょうか?
被災地はまだまだそんな様相でもないかもしれないですが…

さて、今回から地震のことについて詳しく取り上げようと思うのですが、

以下は、4/25産経新聞の3面からです。


熊本地震 耐震化でも損壊 体育館や庁舎 余震頻発、想像超え

熊本地震では、耐震化済みの体育館や行政庁舎が強烈な揺れにより損壊。避難所や復興の司令塔となる重要な施設だが、複数箇所が立ち入り禁止になっている。なぜ耐震化工事が終わった施設が損壊したのか。関係者は、震度6弱以上が7度観測され、さらに余震が絶えないという今回の地震が「耐震基準の想定を超えた」と指摘する。

防災拠点となるはずの庁舎も被災。熊本県益城町役場は25年度に建物外側にフレームを取り付ける耐震化工事を実施したが、本震後に立ち入り禁止になった。5月10日ごろまでに業務を再開できるめどが立ったというが、担当者は「耐震基準を満たしており、大丈夫だと思っていた」。耐震改修促進法で避難所機能のある施設などには「震度6強以上の地震で倒壊する危険性が低い程度の耐震性」を求めている。学校の耐震化を管轄する県教委は「耐震化は1度の地震に耐えるのが前提。2度目や大きい揺れが続くことは想定されていない」と説明する。

本記事のタイトルにもある「ハード対策」と「ソフト対策」という言葉についてですが、詳細は、
豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館:ハード防災対策とソフト防災対策
をご参照ください。

地震に限らず日本は災害大国ということで、当然、構造物の設計に関してもある程度の大きさの外力を想定しなければならないわけですが、それでも、コスト(と、場合によっては環境負荷も)という制約がある以上は、ここで書いてある耐震化のような「ハード対策」には、限界があるわけです。

で、「いつか壊れる」というのは当然で、想定を超える外力によって「経済的な被害」が生じるのはやむを得ない部分もあります。
しかしながら、「人的被害」だけは、極力最小限に抑えないといけないのは、ヒューマニズムという観点からも当然ですね。
リンク先である牛山先生のブログ記事にもあるのですが、その人的被害を抑えるという意味で、「ソフト対策」に近年関心が向かっている、ということです。

ただ、ここで疑問に思ったこと。
私の勤め先の部署は、主に水防災をやっているところですが、震災は突発的なものですよね。
つまり、水害は数時間、あるいは1日、2日前から行動計画が立てられます(実際に、タイムラインという方法の導入に向けた取り組みがなされています)けれども、地震は緊急地震速報で予知できたとしてもせいぜい数十秒とかです。
基本的には起こった後の対応が重要になるので、その分難しいイメージがあったんですよね。

なので、具体的な方策の一例を見てみようということなのですが、
それについては、『土木学会誌第101巻第3号』(H28.3) 災害対応のソフト―人材育成ならびに組織・地域の継続に向けての取り組み―より。


東日本大震災直後には、被害状況を市民目線でとらえることができるツールとして、ソーシャルメディア(SNS)が注目を集めた。SNSはツイッターやフェイスブックに代表され、東日本大震災発生直後から、救護、安否情報、医療など様々なハッシュタグのもと、市民からの情報が寄せられた。


ただし、現状では課題も多く、最もネックとなるのは情報の信頼性をどのように担保していくかという点にある。この課題を克服していく意味でも、NHKが災害や事故の映像を投稿・共有するためのWebサイト「スクープBOX」を積極的に活用しており、いざという時の状況把握を文章だけでなく視覚を通して可能とする仕組みを推進している。

しかし、先の大震災を通して最も重要なことは、通信機器や情報システムなどを機能不全状況にした電源への対応であることは言うまでもない。その中で、東京都は太陽光パネルによるスマートフォンの充電施設「シティチャージ」を設置した。これは災害時の情報伝達の一助になるものと期待できる。帰宅困難者や避難所での生活など、様々な局面をICTで支えていくためにも、帰宅困難者が発生した場合の大規模な集客施設や避難場所などでも、持続可能な発電蓄電設備が情報通信インフラとして整備されることが望まれる。


最後に書かれていることはまさに「ハード対策」に分類されるもの、ということで、一見、本記事のタイトルとは違う締めになるかというイメージを抱かれた方もいるかもしれません。
しかし、もう一度先ほどのリンク先のブログ記事を確認されると、
「ハード対策」と「ソフト対策」、両者はまさに相補的な関係にある
ということがお分かりいただけると思います。

また、本引用は『土木学会誌』の中で述べられた「情報技術分野」の話題です。
ここでもう一つ言えることは、まさに、
「防災」には分野の壁がない
ということなんですよね(実は、これは同誌内のほかの東日本大震災特集記事でもテーマになっています)。
いわゆる「縦割り行政」が批判されて久しいですが、これもかなり重要なテーマだと思うので、今後勉強を重ねて、自分の言葉で色々発信できるようになればと思います。

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