『月刊Hanada』10月号 今こそ「新日本列島改造論」より(1)

皆様こんにちは。
朝晩は涼しく(日によっては肌寒くも)感じますが、昼間はまだまだ真夏日も観測されていますね。
寒暖差で体調を崩さないように、お互い気を付けて過ごしましょう!

今日の本題は、タイトルの通り、月刊Hanada10月号の記事からの引用です。

私は今もって、あのウィルから分派した経緯をいまいちよく理解していないのですが、何はともあれこの雑誌もだいぶ定着してきたようですね。

引用元は、大石久和先生の寄稿された、今こそ「新日本列島改造論」です。
実は、本ブログで「土木と学校教育フォーラム」の参加報告をしたときに、この記事のことはいずれこちらで取り上げる予定だと申し上げておりました。
が、色々ほかに書きたい内容が積んできまして、もう11月号が発売された中での記事起こしになってしまいましたw
(我ながら、本当に今月はよくブログ更新してるなあと思います。とはいえ、それでも週2ペースですが…)

今回はまず元記事の全体的な印象について申し上げたのちに、冒頭部分の引用をしてみたいと思います。
本論部分は、またエントリを分割して、ということで。

ではまず、記事の全体的な印象から。

私が第一に考えたこの大石先生の記事の分かりやすい所は、「図表を効果的に利用して、『数字』を可視化している」ことです。
私は前エントリで、「事実の検証の積み重ねこそが、『コペルニクス的転回』レベルの衝撃的な考え方の変化の引き金になる」ということを申し上げました。
中でも、「客観的事実」を一番よく表すものは何か?
という問いに対する答えこそが、ズバリ「数字」ですよ。
ですから、私も含めて理系の人間は、その「数字」をいかにして効果的に見せるか、ということで論文やPPTスライドの図表作成の段階で色々工夫するわけです。
(もちろん、数字で示される事実の上で、自分自身の考察を示すことは必要ですが。)

それで、こういう「数字」が見える化された折れ線グラフや表を十分に利用している記事っていうのは、やはり「説得力がある」という印象を抱くんですよね。
もっとも、月刊誌ということで「いかにも評論家が書いた縦書きの文章」が多くを占める中だからというのもありますが…

それでは、冒頭部分の引用。
「インフラストラクチャー」は、国土計画などでは「社会資本」と呼ばれたが、本来的な意味は「社会を下から支える基礎構造」という意味であり、法律などに代表される「制度」と道路などに代表される「装置」から成り立っている。
この装置インフラは、利潤動機からはサービスが提供されることはほとんどなく、公共が用意するしかないものだ。ヨーロッパなどと異なり、わが国では虐殺を伴う厳しい紛争がなかったこともあって、都市城壁というインフラに命を守られた歴史的経験が皆無なのだ、そのため、インフラに対する重要性認識が、わが国ではほとんど育ってこなかった。

・ 一段落目について

「インフラ」の本来の意味は「下部構造」であるということは、すでに熊本地震の地盤に関する話題で取り上げていました。
そして、前エントリの「黒田裕樹の歴史講座」参加報告では、このエントリをリンクした上で、その下部構造、もっと大それた言い方をすれば「文明の根っこ」を支える2大要素が「土」と「木」である理由を考察しました。

どちらかというと、これまで私のブログでは、「制度」の方に重きを置いて文章を書いてきたように思います。
分け方としては少し異なるかもしれませんが、概ね「制度」が「ソフト」、「装置」が「ハード」に対応するともいえるでしょう。
「ハード対策」と「ソフト対策」、両者はまさに相補的な関係にある
ということこそが、ここで重要になってくるわけです。

・ 二段落目について

以前私は、土木史について書いたときに、こんなことを述べていました。
日本の歴史の特色は何かということについて考えますと、
確かに「他国との交流と戦い」も数々ありますが、それ以上に「自然との共存と戦い」を感じさせるエピソードが色々あることなのではないかなあと思っていました。
ただ、小~中学校ではあまりそういうことに焦点を当てて学んだ事項がない(私が覚えていないだけかもしれませんが)ので…(以下略)
この記事にも書いたとおり、「自然との共存と戦い」を歴史に学ぶ材料は、今はまだ少ないかもしれませんが、あることにはあります。
そして、こちらで述べたとおり、歴史学は「学問」であるゆえ、常にその知見が更新(update)されていくべきものです。
そういった視点からも、今後の新たな発見、そして専門家の方々のさらなる考察が必要になりますね。

もう一つ述べますと、本ブログのメイン記事では「“Civil”面の平和ボケ」という言い方をしていました。
インフラとはまさに、他国の侵略からというだけではなく、この「自然との戦い」にも対応した、広範な意味での「国防」を司るものだということが、いえるのではないでしょうか。

こんなところで、なかなか全体の印象、そして序論の部分だけでも興味深い記事ですね。
次回は、大石先生の書かれた具体的な現状の問題点、そしてそれに対する提案に関してのお話を。

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