HAKASE(jnkt32)氏のご意見から、私自身の「土木系技師」としての本分を改めて考える(1)

皆様お疲れ様です。ピースです。

本日は、559の臼田こと臼田寛氏の紹介の件以来となる、ブログサークルの同志の方のご意見から考えたことを、まとめてみたいと思います。

今回ご紹介するブロガーさんは、HAKASE(jnkt32)氏です。
『Blog~続・トイレの雑記帳』という、私以上に政治・社会評論特化のブログを書かれており、このブログは世間的になかなか議論に上がらない問題に対する考察に優れた内容です。

で、そのHAKASEさんがブロサーでコメントを下さった中で、特に注目したいものが2つあります。
今回はその1ということで、旧ライブドアブログから転載したエントリ

福岡の道路陥没、維持管理面からの問題提起を!

に付けられたコメントです。
その内容は、こちら↓

我国のインフラ整備技術は、仰る通りで世界有数と拙方も認めます。
ただ、整備に当たっては、政治的要素も多分に含まれ、その方は問題視しても良い気がします。
ライフラインや公共交通の整備は、それは必要な事共ですが、
優先地域や経由地を巡っては、多分に選挙目当ての政治力が働くのではとの指摘が、度々上がるのを耳にします。
やはり技術サイドとして「できないものはできない」として、政治に対しても、はっきり「NO!」を言う姿勢を持たなければ、
残念ながら今回の様な事故は再発する可能性があるでしょう。
従来より我国は「理系一流、文系三流」なんて言われてますから。

それに対する私の当時の返信が、こちら(多分ブロサーでの文字数の制約からだと思いますが、2回に分けています)↓

>HAKASE(jnkt32)さん
コメントありがとうございます!

そうですね。
もちろん一番密接に関わりがあるのは土木工学系であることに違いないでしょうが、それ以外の分野であっても「日本は人材が資源の国」と言われ続ける以上、科学者・技術者が政治に受ける影響は大きいです。

私も「土木系技術者」としての情報発信もですが、それと同じくらい「理系」としての自分の考え方を発信することも続けていきたいですね。

一方でその「土木系技術者」としての立場からですが、これは現場に合わせて色々な要素を鑑み、そして最適解を得ることが必要な分野と言えます。
ただ、最後は金銭的制約が絡むケースがやはり多いんですよね。

私の会社も政治的な左右は個人で違えど、「あの民主党政権のような時代の再来はゴメンだ!」という空気は全体的に結構強いです。

当該エントリ内で、「日本はもう『某国』のことを笑える立場じゃない」と申し上げた、その「某国」は、GSOMIAの件ですったもんだを起こしましたね。
このあたりも、HAKASEさんにとっても私にとってもホットな話題ということになるでしょうが、まあそれはさておき^^;;

当然ながら、私の勤務先は、国交省や都道府県の土木系部署の発注される業務を受注している会社です。
で、このコメントと私の返信を読み返すと、思い出すことがあります。

私の勤務先の上司が、以前、

「業務を直接受注するのは主に国交省だけど、最終的にはその『国交省のお役人さんを通して財務省に提言するから』自分たちの業務が成り立っている」

ということを言っていたのが、今も深く印象に残っているんです。
まあ、財務省というと、このブログをお読みの皆様方にとっては、外務省と並んで、思想の左右は関係なく「無能な役人の巣窟」という印象が強いだろうと思われるのですが…

この道路陥没事故、もう3年前ですね。
今、私は台風19号のシリーズ記事を書いている途中ですが、そんな中ということもあって、
「同じインフラの問題でも、平時と非常時(≒災害時)で違うことは何か?」
ということを考えていました。

私が出した、それに対するひとつの回答は、

「施設の耐用能力を超えるものは来てはならないという『不文律』が、今後もあり続けるべきかどうか」

というものです。
どういうことかと申し上げますと、憲法フォーラムの報告のときに書きました

「憲法に理想を書くことはすべきでない。仮に憲法に理想を書けばそうなるというのであれば、『津波が来てはならない』とか『道路が陥没してはならない』とか憲法に書いておけばいい」

という、まさにこのお話です。
上記の通り、「憲法に書くべきかどうか」はあくまで別としましても、平時に関しては、こういう地震でも何でもないときに道路が陥没するなどということは、今後も変わらず「起こってはならないこと」ですよね。
この場合、「一番大きな問題になるケースが多い」と申し上げていた、金銭的制約を解決するキーになるのは、特に「構造物の維持管理」になるのは、想像に難くないでしょう。
つまり、「既存のものを解体して一から作り直す」よりも、「既存のものを点検・補修しながら、うまく使いこなしていく」ということです。
もちろんICT(情報通信技術、一般には”IT”といわれることのほうが多いですが、Cは「通信」にあたる”Communication”ですね)や、UAV(いわゆるドローン)の活用等も含めて、点検のためにそういった技術を生かしていくということが、「技術者」としての領域になります。

一方で、非常時の場合はどうか?

これに関しても、実は、過去には「あってはならないこと」というふうに、考えられていたんです。

なぜかと申し上げますと、旧建設省~国交省初期の頃は、今の国道事務所や河川事務所も、「工事事務所」という名称で、本当に「工事」「工務」という色が強く、そういう部署がお金も圧倒的に多く持っていっていたわけです。
だから、今年の台風19号のような水害に関しても、「ダムとか堤防とか、施設で防ぐことが全て、それらが壊れることなどあってはならない」という考え方が当たり前に近かったということです。

ところが、「今はどうか?」というと、もう皆様も薄々感づいていらっしゃると思いますが、

「施設で防げる以上の規模の地震や水害なども、(もちろん発生しない方が望ましいものではあるけど)いつかは発生するもの」
という方向性に転換しています。
これは、よく使われる学術的な言葉でいうなら、まさに「パラダイム・シフト」ですよね。

この、「起きない方が望ましいものではあるけど、起きるもの」というと、政治系でこのブログを訪れた方であれば、おそらく第一に考えるものは「戦争」ということになるでしょう。
それで、上記の憲法トークライブの報告のほか、憲法関連の活動報告のエントリで書いた、「9条の自衛隊明記」や「緊急事態条項」といった話にもつながるわけです。
が、ここの本題としては、あくまで”Military”面な話ではなく、”Civil”面のことを取り上げていますし、話の切り口も政治よりも技術に中心にしているので、そのことは別の機会に話題にしようと思います。

で、「施設で防げる以上の規模の地震や水害なども、(もちろん発生しない方が望ましいものではあるけど)いつかは発生する」というパラダイムに立った場合、金銭的制約を解決するキーになるものは、何か?
もちろん、平常時の話と同じ、「施設の点検、補修、維持管理を通した有効活用」というのもあります。

ですが、こちらに関しては、もう一つ見落としてはいけない要素があるんです。
それが、「財産的な被害は生じることを許容しても、最低限、人命は守る」ということで、
以前から繰り返しお話をしています、住民の意識向上と適切な避難行動を促すための「ソフト対策」です。
台風19号のエントリでもお話しましたとおり、この「ソフト対策」こそが、(もちろん、最後にはHAKASEさんがおっしゃったとおり「NO」をいう可能性ももしかしたらあるのかもしれないけど、それでも最大限尽力したということを示す意味での)「技術者集団としての答え」の一つともいえると思います。

では、「なぜ『財産的な被害は生じることを許容しても、最低限、人命は守る』ということが大切になるのか?」という話ですが、それは次回。
(実は、このエントリの中でも、その答えの一部をもう書いていますが…)

よろしければ、1日1回応援クリックをお願いします。


人気ブログランキング

ブロトピ(ブログサークルSNS)
ブロトピ:今日の学問・教育情報
ブロトピ:「ブログ更新しました♪」
ブロトピ:ブログ更新のお知らせはこちらで!
ブロトピ:最近のニュース
ブロトピ:ブログ更新しました

人が死なない防災

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA