『月刊Hanada』10月号 今こそ「新日本列島改造論」より(3)

過去2回のエントリの続きです。
前回の最後は、「日本が一人負けの様相を呈している」原因の一つとして、「財政の削減」に関して言及された部分を引用しました。
今回は、もう一つの理由に関する箇所から。
先に申し上げてしまいますと、本エントリはこの部分が話の9割以上です。


もう一つには、新自由主義経済学が主流派経済学となり、民間に任せて市場に委ねれば何もかもうまくいくとして、「小さな政府(緊縮財政)・民営化・自由化・規制緩和」などが歳出削減と軌を一にして推進されてきたことだった。
(中略)
新自由主義経済学を生んだアメリカ人は「無謀で無責任で自分勝手」であるがゆえに一人でも戦えるのだが、「慎重で責任感が強く規律正しい」日本人は「悲観的で不安に弱い」ため、明確になりすぎた責任感にたじろぎ押し潰される(東京大学・坂村健教授)という。そもそも、脳内物質の分泌がアメリカ人と日本人では異なっているというのだ。

・ 前半部分について
新自由主義については、過去にこちらで述べさせていただきました。
リンク先では、共産主義を「怠け者が」、新自由主義を「ずるい人たちが」得をする社会と位置付けたうえで、最後に、
本当に『正直者がバカを見る』ことのない、つまり怠け者でもずるい人でもなく、真っ当に頑張る人が報われる社会になるには、どうしたらいいと考えますか?
という「究極の難問」を投げかけています。
この記事を書いてから1年3ヶ月経ちましたが、私は今もって、これに対する答えに近づいた気が全くしませんねw

ですが、これも全宇宙共通の真理があるということではなく、時と場所そして政治・経済的な状況などでの違いが出てくるのは当然のことです。
その中でも特に、この引用の後半部分では「人種」による違いに言及されるわけですが…

・ 後半部分について
実はですね、この「脳内物質の分泌の違い」という話こそが、私が参加報告をした「土木と学校教育フォーラム」で、大石先生の基調講演の中にもあった話題です。
いやはや、あの講演を聴講したとき、まさか公共政策の場で脳内物質の話が上がるとは、本当にかなりの衝撃を受けましたね。
で、改めてこのお話が出てきて思ったことを、2つに分けて。

1つ目。
脳といえば「人間」だけど、「人間」も「生物」、そして「生物」と言えば「DNA」、
みたいな連想がふっと浮かびました。
が、その辺を深く掘り下げるお話については、もしできる方がいらっしゃれば、その方にお任せしたいと思いますw

2つ目がメインの話題ですが、引用元でも太字で強調した、
「慎重で責任感が強く規律正しい」日本人は「悲観的で不安に弱い」
という一節です。

日本人という人種の概略的な傾向、そのプラス面とマイナス面を対比していること、そしてそのマイナス面の方に「不安」という言葉があります。
私はこれで、ある一つのキーワードを思い起こしました。
それは何か?

です。

リンク先のヒットしているページをいくつか見ればわかるかと思いますが、簡単に言ってしまえば「物事は一面ばかりを見るべからず」ということですね。
「同じコインの表裏」という例えもよくされると思います。

ここまで言えば、私の主張はもう大体お分かりですね。
「日本人の『慎重で責任感が強く規律正しい』というプラス面を生かす」政策を、国民(ここは迷いましたが、敢えて「有権者」には限定しませんでした)1人1人が考え、求め続けることが大事だ、ということです。
最後に、各項目の詳細は省略させていただきますが、以上の引用元の内容を踏まえた、大石先生の具体的な提言項目を挙げて、終わりにしたいと思います。
いずれも、(緊急性もですが、それ以上に)重要性の高い課題ばかりだと考えます。

  1. 高速道路の暫定二車線の四車線化を緊急に行い、安全性の飛躍的向上を図り、本来の走行速度での走行を可能とする
  2. 新東名高速道路と新名神高速道路の六車線化
  3. 船舶の大型化に対応した戦略港湾整備
  4. 新幹線整備
  5. 成長の原動力となりうる地方への再生
  6. その他にも整備を進めなければならないこと(主に防災と東京都のインフラ整備の話です)

余談:
「今回の本文にあった『両面観』というキーワード、どこで知ったんだ?」と思われた方もいらっしゃったかもしれませんね。

Googleで上位にヒットしているページは、多くが「森田療法(理論)」という精神療法(理論)のことを主題として書かれていますね。
この森田療法は、名前通り森田正馬(名前の読みは「まさたけ」/「しょうま」両方あるようです)先生という方が、もともとは神経質症に対する考え方(キーワードとして書いた「不安」との向き合い方ですね)と行動の是正を目的として確立した療法です。

が、これはその後色々な応用がなされてきまして、私は現代では「精神療法」というよりも、「(現代だからこそ大事な能力である)『応用能力』あるいは『課題解決能力』を鍛える一つの指針を、(主に日本人向けに)提案したもの」という解釈ができると考えています。
私も自他共に認める神経質な性格ということもあって、あることがきっかけでこの森田理論を知り、勉強し始めたのですが、結構「なるほど」と思える部分が色々ありました(そして、このブログの更新も含め、その後の自分の経験にも多少は生きていると思います)。
森田理論のことが書かれた本は新書にもあるので、興味のある方は調べてみるといいかもしれません。

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