今年もまた、何より「選挙で一票を投じること」が大事だという主張を(2)-「理系」の皆様に向けたお話を中心に

「自軸」を育てる

本書では、情報を扱う力を総合して「自軸」と呼ぶことにします。この軸を持っていれば情報に振り回されることはなくなり、自分自身のために情報を使えるようになります。
もしかしたら「軸」という言葉から、1本の直線をイメージされるかもしれませんが、そのイメージは少しだけ修正してください。自軸は単なる直線ではありません。
マッキンゼーという会社が提示した「T型人間」という概念をご存知でしょうか。Tの字の縦棒は深い専門性を表し、横棒はそれ以外の分野の知識を示しています。1つの専門性以外に、多様な分野の知識を持っている人間、それがT型人間です。これはいわゆる「専門バカ」になるのを避けよ、という教えでもあります。
また、「逆T型人間」という考え方もあり、こちらは専門性の縦棒と、マネジメント能力の横棒を意味しています。スペシャリスト+ジェネラリストのスキルといった意味合いでしょうか。
どちらの考え方も、縦と横の2本の棒で支えられた人間がイメージされています。
自軸のイメージは、両方を重ね合わせた形を思い浮かべてください。つまり、3本の線で構成される軸です。
専門性を深く伸ばした縦棒と、さまざまな分野に関する知識、および、リベラルアーツ(教養)を示す2つの横棒。この3つの線を合わせて生まれるものが自軸です。
形としては大文字の「I」がぴったりでしょう。英語の「I」は「私」という意味があるので、I型の軸=自軸、というわけです。

(倉下忠憲『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』より )

皆様おはようございます。ピースです。
前回も前置きで触れました藤井四段ですが、私がこの文章を書いている最中に、29連勝で記録更新のニュースが流れました。
まだ中学生にして、ここまで自らの得意分野で名を上げられるということは、やはり偉業だと思います。

「得意分野」というキーワードを挙げたところで、今回の本題は、前回の終わりに述べた「特定層に特化した」話です。
が、その前に。

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今年もまた、何より「選挙で一票を投じること」が大事だという主張を(1)-「タブー」によって生み出される組織票の力

かつて、わたしは法人営業マンをしていたが、先輩や上司にも新聞レベルの話題しかない人が少なくなかった。後輩ながら、「この人のセールスを聞く人は退屈だろうな」とつくづく同情したものである。
「セールスでは宗教や政治の話はタブーだろう?」と反論されそうだが、特定の宗教団体の悪口を言え、というわけではない。政治にしても、支持政党の話題ではなく、国際政治の本質、歴史、G7あたりの大国の狙いなどを話題にしてもいい。「そうか、ユーロはそうなっているのか?」とあなたの判断を伝えてもいいはずだ。
3.11以降、新聞やテレビの情報をうのみにする人はほとんどいなくなったと思う。いまや自分の頭で考えて自分の頭で判断する時代だし、そういう意見をだれもが聞きたがる時代なのだ。なぜなら、人の意見を聞いて自分のそれと比較検証したいからである。

(中島孝志『仕事に効く!朝10分の読書術』より)

皆様こんにちは。ピースです。
世間は、加藤一二三九段の引退と、藤井聡太四段の連勝記録が話題になっていますね。
こちらでも紹介しましたが、私は読書ログで佐藤天彦名人の著書『理想を現実にする力』という本のレビューを書いていました。
これはあちこちで申し上げていることですが、頭脳労働でご飯を頂いている者としては、まさにプロ棋士のような頭の回転の速さこそが「理想」になっている感じです。

さて、本日の本題に移りましょうか。
私の家にも、都議選の投票券が届きました。

投票日は7/2です。
都民の方でこのブログをお読みの皆様、投票には必ず行きましょう!

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「ある程度まとまった長さの」文章を書くことの重要性

脳というのは、基本的に省エネ志向であり、頭を使わなくてすむならば、なるべく使わない方に流れます。それはある意味で本能的なものであり、簡単にあがなえるものではありません。
結果的に、新しいテクノロジーに何も考えずに身を浸していると、どんどん頭を働かせなくなってきます。

このことは、私が最近使っているFacebookで痛感しました。
Facebookで何かを書き込むと、他の人からコメントをもらえる場合があります。そのコメントに対して、私もコメントを返すことが出来るのですが、どうにもうまく言葉にまとまらないとき、つい「いいね!」ボタンをクリックして済ませてしまいます。それだけで、自分はそのコメントを読みました、そして好感を持ちましたということを伝えられるので非常に便利です。しかし、私の頭に浮かんだ「もやもや」は言葉にされることなく、消え去ってしまいます。苦労させずに済んだ代わりに、何か微妙なものが全て失われてしまったわけです。
便利さの対価として私たちが支払っているものには、充分に注意する必要があるでしょう。

(倉下忠憲『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』より)

皆様おはようございます。ピースです。
東京も昨日は蒸し暑さを感じる中の本降りという天候で、本格的に梅雨の訪れを感じますね。
くれぐれも、体調に気を付けていきましょう!

さて、今日は久々に、政治色も専門色も薄めな話題です。

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度重なる痴漢冤罪事件、そして山手線防犯カメラ導入の発表に思うこと(2)

皆様こんにちは。ピースです。
今日は少し重めの前置きから入らせていただきます。

テロ等準備罪(いわゆる「共謀罪」)を含む改正組織犯罪処罰法が成立しましたね。
確かに、私自身もこの法案については、「間違った運用がなされれば」治安維持法もビックリの悪法になる可能性は、無きにしも非ずとは思います。
これは以前も申し上げているかと思いますが、どんな政策・法案であれ、「成立した後の動向のチェック」こそが、欠かせないことです。

しかし、一方でですねえ…
これまで私は、この法案については「監視社会の誕生だ!!」とか煽っておきながら、自分や味方側の人間が気に入らない人間の言動を監視し、そして何かあれば徹底的に叩くということをさんざんやってきた、そんな連中を、きつい言葉も申し上げて批判してきました。
そして、そんな大マスコミやら、「反レイシズム系」の組織やらを味方につけている野党の今回起こした行動には、本気で腹立たしく思いますね。
「牛歩戦術」については、ルール無視で票をねじ込んだ議員もいるとかいう話で、「この方々は一体全体、議会制民主主義を何と思っているのか!?」という気持ちにさせられました。
そして、今回の話に思いっきり関連したところですが「女性議員たちで壁を作って、体に触れたらセクハラだとか騒ぎ立てる」ことを考えていたとか、いかにも都合のいいときだけ女を利用しようとする偏向フェミニストの連中がやりそうなことだなあと思うんですよ。
はっきり申し上げまして、私は「テロ等準備罪」などよりも、そんな連中が成立させようと画策していた「人権侵害救済法案」なる法案の方が、何十倍、いや何百倍も監視社会につながる危険性は高いと考えます。

…という話をしたところで、本題に行きましょう。

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度重なる痴漢冤罪事件、そして山手線防犯カメラ導入の発表に思うこと(1)

皆様おはようございます。ピースです。
前回に引き続き、朝の更新です。
夏至も近づいてきましたし、この時期はこの習慣をつけるのがいい気がしますね。
冬場は、あちこち転載(あるいは自動連携機能の確認)する作業のために早起きするのはちょっと辛いですが。

さて、本題。
Twitterやはてブはともかくとして、FB、ブロサー他あまり政治・社会色のない所からいらっしゃった方は、タイトルだけで
「えっ!このブログでこの話題取り上げるのか!?しかも分割・複数記事で!?」
と思われた方も、きっと多数いらっしゃったことでしょう。
(と言っても、FBは個人アカウントでも、軽く予告していたのですが…)

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百田尚樹氏講演会中止の一件について

皆様おはようございます。ピースです。
今日はまた珍しく、朝の更新。

まずは、日頃ブログサークルからいらっしゃっている皆様にお礼。
私の主催する、「理系ブロガー」サークルの参加者が、50名を越えました!
まあ、私も思いっきり理系脳な人間で、文章を書くことには学生の頃から苦手意識を持っていました(というか、正直なところ、今でも持っています)が、そんな私がこんなブログをやっているのですから、人間どう変わるかは分からないものですねw

で、前回までの技術者らしさ全開なシリーズを締めたというところで、今回は思いっきり文系な話題です。

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土木学会誌5月号より、IoTの話題(4)-事例研究その2:地震情報の収集について

皆様こんにちは。ピースです。
6月に入りました。
これから本格的に暑くなり、また梅雨にも入りますね。
私の勤務先もまた、体調を崩して休んだ部の先輩社員などいますので、体にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

さて、土木学会誌5月号からのIoTの話題は、今回までで一区切りとします。
今回の引用は、戸田建設株式会社 価値創造推進室技術開発センター主管の保井美敏氏による、「ユレかんち」による地震情報のリアルタイム収集・共有 より。

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土木学会誌5月号より、IoTの話題(3)-事例研究:エネルギーマネジメントの取組みについて

皆様こんにちは。ピースです。
今日は、いつもと一味違う前置きでいってみます。

実は、前回の記事を書いたのと同じ日、読書ログに、将棋棋士で現在防衛をかけて名人戦を指していらっしゃる、佐藤天彦さんの本のレビューを書きました。
人工知能と言いますと、このブログでは以前羽生さんの本のレビューちらっと取り上げましたが、佐藤さんもこの名人戦の直前に、(もちろん「名人」という肩書で)コンピューターソフトとの対戦に挑んでいらっしゃいました。
私はレビューには書きませんでしたが、この『理想を現実にする力』という本にも、最後の方にまさにコンピューターソフトの話題があります。

結果は佐藤名人の2戦2敗だったのですが、羽生三冠の著書も含めて、(前回話題に上がっていた囲碁もなのですが)「単純に強さだけではコンピューターに勝てない」という状況に入ってきた中で、人間同士の勝負からどうやって付加価値を生み出すか、ということが注目されそうですね。

…と、申し上げたところでなのですが、念のため。

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