東日本大震災から5年…(1)

皆様お疲れ様です。
私は社会人1年目の年度末です。学生の頃の論文間際の時期とはまた違う大変さを味わっています。
しかし、休日に若干体調を崩しかけたことはありましたが、特に大きな問題もなくやるべきことをこなせているかなと思います。

さて、今日は東日本大震災からちょうど5年です。

発生時刻は14時46分。
私は地震が発生したときは、研究室から帰りの電車に乗っていました。
前日に学会発表に行っておりまして、その準備で疲れていたので、早めに帰ってじっくり休もうと思っていたんです。
そこにでかい揺れが来て、電車が完全にストップしてしまい歩いて帰るということになりましたし、
家族に安全を知らせようにも、メールやツイッターもかなり重くなってそれもままならないという感じだったので、よく覚えていますね。

で、今までは特に、この日に焦点を当てて文章を書くということはなかったのですが、
ちょうど一か月前に台湾地震のことを書いた後にも、取り上げてみたい素材がいくつか見つかったので、記事を起こしてみました。
それも、長くなりそうなので、本ブログでは初の分割更新です。

今回のメインの引用元は、月刊ウィル3月号、おなじみ京大教授の藤井聡先生と、国土政策研究所所長である大石久和氏の対談より。


藤井 九十年間も地震のエネルギーが解放されずに、関東平野の下で蓄積され続けていることを意味します。この点を考えるだけでも、いつ何時、本当に「メチャクチャでかい平成・関東大震災」が生じても不思議ではない。そんな状況下で、あろうことか、十年以内に関東平野での大震災を必ず併発させてきた東日本太平洋側での大地震が発生したのが、今日の状況なのです。
大石 地震とともに、津波のリスクにも晒されている。
藤井 さらに火山です。世界の活火山の10%が日本に存在しており、火山活動もきわめて活発な国土の上に私たちは暮らしているのです。


私の個人的な印象では、地震というと、専門家の中でも、
「小さな地震がたびたび起こることが大地震の予兆だ」という意見も、「小さい揺れすら起こらない時のほうが、むしろ地中にエネルギーが溜まっているから危険だ」という意見もあり、結構両論で割れているというイメージがあります。
しかし、いずれにしても、日本においては防災のテーマとして筆頭に挙がるのは地震、そしてまさに東日本大震災で衝撃的なダメージを引き起こした津波だということは、言うまでもありません。

そして、津波と同様に地震との関連性の強い「火山」ですが、
一昨年の御嶽山、そして去年の箱根山や口永良部島、そして今年の初めには桜島と、立て続けに噴火活動が起こっていますね。
こういう状況の中、政策面でも動きがあったようです。
以下は、2/17産経新聞26面より。 


 火山警戒地域 140市町村 
御嶽山教訓 政府が初指定
避難計画の作成義務付け

政府の中央防災会議(会長・安倍晋三首相)は16日、活動火山対策特別措置法(活火山法)に基づく警戒地域に、全国49火山周辺の140市町村と23都道県を初めて指定することを決めた。住民や登山者、観光客の安全確保のため、指定された自治体に避難計画の作成などが義務付けられる。

安倍首相は、「火山はほかの災害に比べて経験の乏しい分野ではあるが、御嶽山の噴火を教訓に着実に対策を進めていく」と強調した。

指定自治体は、警察や自衛隊、有識者らをメンバーとする火山防災協議会を設置。噴火シナリオやハザードマップ(危険予測地図)を作成するほか、5段階の「噴火警戒レベル」ごとに入山規制の範囲や避難方法を検討する。


防災と一口に言っても、ハード面だけでなくソフト面での整備も、大変重要ということがお分かりいただけると思います。
ただ、特に地震は、水害とかに比べると、「起こってから勝負」、つまり事前の行動計画を立てることがほとんど不可能というのがネックなんですよね。
その点でいえば、火山はその中間ということになるでしょうか。


藤井 そうですね。どれだけ根拠のある合理的意見を述べても、「不安を煽って土建屋を儲けさせようとしている」とか「藤井は土建屋の回し者」「既得権益を守りたいだけ」など誹謗中傷、バッシングの嵐が必ず起きる。
ただし、そういう人たちは常に根拠を一切示さない。つまりそれは単に予断と偏見、イメージだけ。そして、そういうイメージがすでに世間で共有されているから多数が賛同してしまう。なぜこんなことになってしまうのかというと、世論の側に公共投資の必要性や災害対策の必要性、また諸外国と日本との相違について全く理解が進んでいないことが問題の根本にあると思います。


「諸外国と日本の相違」というキーワードを強調しました。
私も理系ですから、報告書や論文を書くときは論理的思考(Logical thinking)を重要視するわけです。
ただ、それらは数学の答案みたいな正解がある問題ではないので、100%論理的ということはなく、あくまで「より説得力がある」文章を書けるようにというレベルなんですがね(そのあたりは、あの『国家の品格』などを読まれている方はお分かりだと思います)。
まあ、ぶっちゃけた話、このブログでそう言った経験が活かせているかは微妙ですがw

で、論理的思考で重要なことの1つは、「違い」を意識する、ということなんですよね。
「違い」というと、「昔と今」という時間による相違もそうなのですが、たとえば、「東京都と~県」とか、ここで挙げられている「日本と外国」という空間的な相違も、まさにあてはまるわけです。
で、これも個人的解釈ですが、
こういう「既得権益」とかなんとか言うイメージを作るのに手を貸している人の中には、この「違い」が本当に分かっていない者も中にはいるかもしれません。
が、少なくとも大マスコミの中の人については、頭は私よりいい方ばかりだと思います。
なので、どうしてもそういったイメージを作るのは「無知」が原因ではなくて、「悪意そのもの」からだという印象を受けてしまいますね。
そして、このお二方もそういう印象をもっていらっしゃるからこそ、言葉づかいは冷静ながらも、本当に憤りが感じられる対談になっているんだろうなと思います。

というわけで、続きは次回(色々忙しい時期なので、1~2週程度は空くと思います)。

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