文章の書き方を、コンピュータと人間の脳の違いから見てみる


コンピュータはアドレス方式と呼ばれる方法で記憶します。つまり、記憶する場所があらかじめ用意されているのです。しかも、その場所は数多くの部屋からなり、順に部屋番号(アドレス)が決められています。記憶する事象はその小部屋に個別に格納され、再び記憶を呼び出すときは、部屋番号を指定し、その内容を取り出すという非常に能率的な方法を取っています。
一方、脳では、記憶は神経回路にたくわえられるのですが、実は、同じ神経細胞がほかの記憶にも使われます。なぜなら、一つの神経回路に一つの記憶しか貯蔵できなかったとしたら、記憶の容量はかなり限られてしまうからです。これでは、回路と同じ数の情報しか覚えられなくなってしまいます。ですから、記憶容量を確保するためにも、脳は色々とやり繰りしながら、神経細胞を使い回さなければなりません。
しかし、逆に、この性質が、脳に「人間性」を与えていることに、ぜひ気づいてほしいと思います。保存情報が相互作用するということは、全く異なるものごとを関連付けることができるということです。これはすなわち私たちが行っている「連想」という行為そのものです。さらに、情報を関連付けまったくちがった新しいものが形作られるかもしれません。これこそが「創造」という行為です。私たちが想像したり、思索したり、創造したりという行為は、記憶が相互作用できる神経回路にたくわえられているということの恩恵なのです。そして、もちろん、こうした行為は正確無比を誇るコンピューターには到底できない芸当です。

(池谷裕二『記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶の仕組みと鍛え方』より)


皆様お疲れ様です。
都知事選はまもなく投票締め切り、そして開票ですね。

“文章の書き方を、コンピュータと人間の脳の違いから見てみる” の続きを読む

読者の皆様にお礼も兼ねて、本ブログの現況報告

皆様こんにちは。

関東もまもなく梅雨明けの様相ですね。
今年の夏は蒸し暑さは強く感じる一方、真夏日・猛暑日はまだ少ないですね。
まあ、これからが本番でしょうか。

東京は都知事選で盛り上がっていますが、何度でも申し上げます。
都民の皆様は、必ず投票に行きましょう!
地方選は往々にして国政選挙よりも下に見られがちですが、地方議会・首長の選択こそが、私たちの生活には直接的にかかわってきます。

それでは、本日の本題です。

“読者の皆様にお礼も兼ねて、本ブログの現況報告” の続きを読む

土木史のお話-土木学会誌より(3)

皆様こんにちは。
参院選から1週間が経ちましたが、東京はもう2週間後に都知事選ということで、これからまた注目すべき動きが出てきそうですね。

さて、18歳選挙権の話題を取り上げる前に書いていた、土木史のお話の続きです。
同じ土木学会誌4月号から、今日は過去の2エントリで引用していたものとは、もう少し違う趣向の記事を取り上げてみたいと思います。

“土木史のお話-土木学会誌より(3)” の続きを読む

18歳選挙権(2)ー「選挙権」に対応する「義務」とは

皆様こんにちは。
前回の終わりの感じから、もっと早く更新するだろうという雰囲気が見えていたかもしれませんが、投票日前日の滑り込み更新になりました。

もう明日に投票が控えていますが、このブログをお読みの皆様に、お願い2つ。
丸々前回のコピペですが、超重要事項だと考えていますので、もう一度書きます。

“18歳選挙権(2)ー「選挙権」に対応する「義務」とは” の続きを読む