【参加報告】黒田裕樹の歴史講座 第58回「日本と韓国のほんとうの歴史」(2)

皆様こんにちは。ピースです。
こちらでもお話しましたが、今日は紀元節ですね。
私も色々なところからイベントのお誘いを受けたのですが、すみません。
体調は大分良くなっては来たのですが、色々大変な時期なので、この土日はしっかり休んで来週以降に備えたいと思います。

さて、本題は前回の続きです。

今回は、ここまでで述べてきた日韓の歴史的背景を通して、7.慰安婦問題の「日韓合意」についての内容を取り上げたいと思います。
以下、当日配布されたレジュメから引用。

歴史教科書の中には、「日本軍が朝鮮人などの女性を強制的に集め、慰安婦として働かせた」と書かれている者がありますが、確かに朝鮮人の慰安婦が存在したのは事実ではあるものの、彼女らを日本軍が強制連行したという証拠は一切存在しません。

にもかかわらず、平成5(1993)年に当時の河野洋平官房長官が、慰安婦募集における強制性を認めたいわゆる「河野談話」を発表したことが「日本政府が旧日本軍による慰安婦の強制連行を認めた」と受け取られてしまい、自らを「歴史の被害者」と主張する韓国によって、単なる売春婦に過ぎない慰安婦が「性奴隷(=sex slave)」であるというデマが拡散され、アメリカのグレンデールを中心に、世界各地で慰安婦の像が勝手に建てられています。

しかし、産経新聞や民間の多くの学者の方々による慎重かつ詳細な調査によって、現在ではこの談話が杜撰な経緯でつくられたことが明らかになったほか、朝日新聞も平成26(2014)年8月に「従軍慰安婦問題」の根拠の一つとなった、いわゆる「吉田証言」の取り消しを表明しました。

ここはまあ、「知っている」という方にとっては基礎の基礎レベルだと思うのですが、敢えての引用です。
前回、この講座は黒田先生が同じものを昨年8月に広島の人権会館で行ったという話をしましたが、その時の質問で、「この『従軍慰安婦問題』、教科書に載っているものなのに、なぜそれが嘘みたいな言い方をするのか」という主旨のものがあったようです。
ですが、教科書に載っていることでも、「間違っている」と判明したことであれば、記載が変わるのは当然のことですし、そして引用元にもある通り、朝日新聞も吉田証言を取り消すまでに至ったわけです。
(ちなみに、私が今回の講座を聴講したときの記憶が若干曖昧なのですが、この方はその場を後にするときに、受付の方に「なんで黒田みたいな奴を呼んだんだ!?」という感じの形相をされて人権会館を去られたそうです。
ただ、黒田先生自身の話によると、「聴衆全体で見ると、内容については95%は賛同的な意見だった」ということでした。)

あと、これに関しては、私はもう一つ申し上げたいことがあります。
ただ、それは本ブログでも近々あの「アパホテル」の話題を取り上げたいと思いますので、その時に一緒に述べることにします。
ここで取り上げると、長くなりますので…

さて、歴史認識と事実の検証に関しては、以上の通り述べたところで、日韓合意についてです。
記者会見による合意文書の詳細についても、レジュメから引用してみますね。

日本:岸田文雄外務大臣

日韓間の慰安婦問題については、これまで、両国局長協議等において、集中的に協議を行ってきた。
その結果に基づき、日本政府として、以下を申し述べる。

1.慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本製を府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。

2.日本政府は、これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ、その経験に立って、今般、日本政府の予算により、すべての元慰安婦の方々の心の傷を癒す措置を講じる。具体的には、韓国政府が、元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、すべての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行うこととする。

3.日本政府は上記を表明するとともに、上記2.の措置を着実に実施するとの前提で、今回の発表により、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
あわせて、日本政府は、韓国政府とともに、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える。

韓国:尹炳世外交部長官

韓日間の日本軍慰安婦被害者問題については、これまで、両国局長協議等において、集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき、韓国政府として、以下を申し述べる。

1.韓国政府は、日本政府の表明と今回の発表に至るまでの取り組みを評価し、日本政府が上記2.で表明した兵士を措置が着実に実施されるとの前提で、今回の発表により、日本政府と共に、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は、日本政府の実施する措置に協力する。

2.韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、交換の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行うことを通じて、適切に解決されるよう努力する。

3.韓国政府は、今般日本政府の表明した措置が着実に実施されるとの前提で、日本政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える。

これ、本当に色々な意見があると思います。
私自身は、この合意が発表されてすぐのときには、「日本政府ふざけんな!」という印象を持っていましたし、このブログをお読みの皆様の中にも、今もそう思っていらっしゃる方は、もしかしたら多数いらっしゃるかもしれませんね。

ただ、この引用部分を読んでみると、これとは少し違う感想を持ちたくなるんです。
それはどんな感想か?というと、

問題の切り口が違うと、最適解も違う

ということです。
これは、私が「土木系での技術開発」という、「現場を相手にしながらも、学術的に得られた知識を離れない」という立場で仕事を持っている者だからこそ、思わされたことでもあると考えています。

以下、具体的な話ですが、ここで持ち出すのが、この歴史講座の前回の内容です。
前回は「平安後期の政治史 ~院政と平氏政権」というテーマでしたが、その最後の項目が、6.「戦略」が理解できなかった「戦術」の天才というものでした。
これは誰のことを指しているのかというと、源義経です。
義経はその「戦術」をもって、平氏を滅亡させることに成功したのですが、最終的には自らの利害よりも武士全体の利益を優先し、「戦略」を考える政治家でもあった頼朝に敗れたというお話でした。

で、この話から言いたいことは、
「外交で最終的にものを言うのは、ズバリ『戦略』である」
ということです。

外交の場ですべてを「正論」で押し通すというのは、それだけ国際情勢に混乱を招きかねない諸刃の剣になるわけですよ。
なので、おそらくこの日韓合意は、「どちらが正しいことを言っているか?」ではなくて、「どちらが『国際公約』をきちんと履行する、という最低限のルールを守れるか?」というところに、問題の焦点を移すことになったわけです。
そして、この「不可逆的」という言葉は韓国側が入れることを提案した(これも、今回初耳でした)にもかかわらず、あちらがこれを守らなかったどころか、昨年末に日本総領事館前に新たに慰安婦像を設置するという異常事態になりました。
このことを受けて、日本側の「対抗措置」、つまり駐韓日本大使と在釜山日本総領事の一時帰国、日韓スワップの取り決め協議の中断、などの手段を取ることの正当性を示した、ということです。
まさに、「肉を切らせて骨を断つ」というやつですね。

ただ、じゃあ「『正論』を無視していいのか?」という話になりますから、このレジュメにもあった通り、そこを考えたときに日本側の1.のポイントとして「強制連行を認めていない」ということが重要になるわけです。

ですが、ここまで申し上げてなお、このことは付け足しておきたいと思います。
「これがベストの方法だった」と断定するのは、単なる思考停止に過ぎない
と。
つまり、今回の日韓両方の対応は、「国際社会の中の日本の立場」を考えられている皆様方が、今後の日本の外交姿勢を更新(update)するための材料にすべきである、ということですね。

では、ここまで少し長くなりましたが、「外交」とまた違う切り口とは何か?
これも列挙しようと思えばきりがないでしょうが、一番考えられるのは「教育」ですよね。
そして、黒田裕樹先生も普段は非常勤講師をされている方ですから、今回「日本と韓国のほんとうの歴史」というテーマで、当時の情勢全体を俯瞰して、一つ一つの事象の因果関係を掘り下げた形でこの講座の内容をまとめた、というわけです。
これは、「ほんとうの歴史」というテーマ名の通り、前回も言った通りヘイトを目的としたものでもなければ、「韓国が被害者で日本は加害者」という考え方を100%否定する立場に立った内容でもありません(具体例として、「乙未事変」という、日本政府の大失態とも言える(けど、当時の情勢もあってさほど大きな問題にはならなかった)事象も含まれています。)
つまり「教育」という切り口で考えれば、「当時の情勢全体を俯瞰して、一つ一つの事象の因果関係を掘り下げ、それを正しく教える」ということが必要になるわけです。
今回の歴史講座、東京講演だけでも30名弱、大阪公演も合わせると80名以上もの方が参加され、これまでで最多の人数だったということで、皆様のこの問題に対する関心の高さを感じさせられました(参加者のお一人が、「これからも題名に『韓国』っていう国名を付ければ、ずっとこれくらいの人数が来るんじゃないの?」と仰っていましたが…w)。
「未来志向の外交関係を構築する」ために必要なものは何か、私にとっても感じるところの多いお話でしたね。

よろしければ、1日1回応援クリックをお願いします。

人気ブログランキングへ

主催サークル(ブログサークルSNS)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA