皆様お疲れ様です。
東京も西日本も雪が積もりましたし、暖冬といわれていたのが嘘のような寒さですね。
本題ですが、今日はタイトルの通り、理系の方の声を話題にしてみます。
実は、これだけ「(土木系)技術者」というところを推しておきながら、削除した過去記事を含めても、純粋に科学技術に関するトピックを取り上げるのはこれが初めてですw
引用元は月刊ウィル2月号、あの山中伸弥先生と桜井よしこ女史の対談です。
前半も理系として考える歴史の話題とか、iPS細胞のよく噛み砕いた解説とかがあってなかなか面白いのですが、今回は主に後半部分を取り上げてみます。
“Vision & Work hard”
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櫻井 そこで、山中さんがご自分で一番大事なコンセプトにしていらっしゃる「Vision & Work Hard」という教えに出会ったわけですか。
山中 これは略して「VW」と言っていまして、グラッドストーン研究所の所長で、今は名誉所長をされていますロバート・メーリー先生に教えていただいた言葉なんです。
(中略)
先生に「シンヤ、お前がハードワークしているのはよく知っている。では、お前のビジョンはなんだ」と訊かれたとき、私はすぐに答えられなかったんです。
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この対談の途中にも書かれていますが、日本人は、今も昔もよく働く人種だといわれますね。
でも、山中先生のように「あなたのビジョンは何ですか?」と尋ねられると、うまい答えが思い浮かばない人は結構多いと思います。実際、私もそうですねw
それがわからなくても、普段の勉強や仕事にこれだけ精を出せるというのも、確かに間違いなく日本人のすごいところではあるんですが、あまり行き過ぎると努力の方向を間違えることもあり得ますよね。
私個人のイメージですが、こういう「ビジョン」って、意外とオフの時間にふっと何かが思い浮かんだり、ヒントを得たりするものなんだろうなと思うんです。
で、その後に書かれているこの山中先生が最終的に出したビジョンの話もすごいと思わされたのですが、それは生憎ながら省略で。
雇用環境と寄付について
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櫻井 雇用環境についてはいかがですか。
山中 今、日本全体で非正規の方が四割を超えて過去最高と言われていますが、iPS細胞研究所では正社員が一割で、残り九割は有期雇用の方です。
(中略)
多くは国からのプロジェクト研究費で雇用されています。五年の期限付きですから、いかに十年単位できちんと雇用していけるか。さらには正規として雇用していけるかが、所長としての私の大きな課題です。
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頭脳労働は肉体労働やルーチンワークに近いものと比較すると、成果を評価する方法についてももちろんですが、その前段階として、どういう人が結果を出せるかっていうのを判断するのもなかなか難しいことですね。そして、それも課題ごとに違うケースが多いでしょう。
正規の割合が少ないのは、その辺の問題が大きいのかなあと思います。
で、この雇用環境に関する話題の中では、アメリカでは民間から(それももちろん、法人だと利害関係が絡んでしまいますから、個人からです)の寄付が活発で、それによって最先端の研究施設が成り立っているということが言われていました。
そして、山中先生も「iPS細胞基金を創設して、広く一般の方々にご支援を呼び掛けている」ということを発言されています。
私の考えでは、こういうのは国民性からいえば日本のほうがうまくいきそうなイメージがありました。
でも、何よりもアイデアとして提案され、実践され、そしてそういう土壌が根付くまでが大変であり、それを先駆的にされた方こそ、後の世代にも大きく評価されるんでしょうね。
「おかげさま」の精神
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櫻井 山中さんの御著書を拝読していると気付くことがあります。それは、感謝することの大切さを行動で示しておられることです。
山中 私が好きな日本語の一つに「おかげさま」という言葉があります。本当にきれいな日本語だなと思います。
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これは本当にそう思いますねぇ。
何かを成し遂げた時には「全部自分の力で頑張ったんだ」という気持ちを持ちたいのも、よく分かるといえば分かるのですが、そういう態度を示してしまうと、周りの評価はなかなか得られないですし、そういう人はその後なかなか伸びないんですよね。
私も、今までを振り返って、本当に尊敬したいなあと思えた方は、共通して「皆様のおかげでここまで来れました」と言える人でしたね。
かくいう私自身も、学位論文の審査が終わった時には、両親に論文の全文を印刷したものを送っていたのですが、
「まあ、内容は全然わからんとして(笑)、最後に謝辞を書いていて、(もちろん研究室の先生方や仲間たちもですが)家族への感謝の気持ちに触れているのがありがたかった」と言われたことを思い出しました。
というところで、ほかにも色々面白い記事でした(月刊ウィルは、国際情勢とか皇室、自衛隊関連ばかりではなく、たまに特集でこういうのが載るから、定期的に読もうっていう気になるんですよね)。
今回割愛した部分も印象に残るところがあると思いますので、それは実際にこの対談の文字起こしを読んでみてください(もう3月号の発売日前日になってしまいましたが、未購入の方もこの部分は周りの方に借りてでも読む価値があると思います。)